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2006 年度 実績報告書

パラ言語情報の生成過程に関する音声学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05F05246
研究機関独立行政法人国立国語研究所

研究代表者

前川 喜久雄  独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, グループ長

研究分担者 MENEZES Caroline  独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 外国人特別研究員
キーワードパラ言語情報 / 韻律的特徴 / 声質 / STRAIGHT
研究概要

パラ言語情報の伝達において韻律的特徴(イントネーションやリズム)と声質すなわち喉頭音源の大域的特徴が果たす役割とを比較検討するために、新しい音声分析合成手法であるSTRAIGHTを用いた知覚実験を二種類実施した。対象としては、「落胆」「感心」「疑い」「中立」の4種のパラ言語情報をとりあげた。
第一の実験では、声質の役割を検討するために、すべての発話の持続時間長およびイントネーションを同一に揃えた刺激音を合成した後、刺激音が伝えるパラ言語情報のタイプを強制判定させた。この実験は、声質の特徴だけによって我々はどの程度までパラ言語情報を同定できるかを検討することが目的である。実験結果は、声質の特徴だけによっても、相当程度(50%〜90%)正確な知覚が可能であることを示していたが、正答率はパラ言語情報の種別に依存して大きく変化していた。特に「落胆」と「感心」の間には強い混同が生じていた。両者はともに息漏れ声(breathy phonation)を声質上の特徴としているから、納得のゆく結果である。
第二の実験では、各タイプの典型的発話ひとつずつをSTRAIGHTで分析して、各発話の韻律的特徴と声質特徴を分離した後、それらを相互に組み合わせた合成音を作成した。例えば韻律的特徴は「疑い」であるが、声質は「落胆」であるような合成音である。知覚実験では、これら16種類の刺激音を被験者に聴取させ、それがどのようなパラ言語情報を伝えているかを自由記述させる課題と、強制判定課題とを実施した。この実験の結果については現在分析をおこなっているが、全体的傾向として、被験者は声質よりも韻律的特徴に強く依存してパラ言語情報を判定していることがわかる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] イントネーション研究発展の要因2006

    • 著者名/発表者名
      前川喜久雄
    • 雑誌名

      音声研究 10・3

      ページ: 7-17

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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