・ESEMによる黄砂粒子の吸水力の分析について 昨年度引き続き黄砂粒子に対して、粒子の吸水力を粒子周りの相対湿度を変更しながら測定した。主な結果は再確認し、新たな知見も見出された。(1)黄砂粒子表面の硫酸塩沈着による硫酸カルシウムが形成される場合、粒子の吸水力はほとんど変わらない。(2)黄砂粒子表面の硝酸塩沈着により、粒子の吸水力は大きく変わり、特に硝酸カルシウムが形成される場合に吸水力が著しく上がることが見出された。(3)実験室内の人工硫酸カルシウム粒子と硝酸カルシウム粒子を用い、上記の二つ結果が検証された。(4)飽和の状態になると、黄砂粒子の表面成分に依存されず、全ての粒子が凝結界面として水蒸気を吸収し粒子が水滴になることが証明された。これらの結果に基づく取りまとめた論文が国際雑誌に発表された。 ・ESEMによる都市大気中のスス粒子の分析について 昨年度の研究で得られた結果に基づく取りまとめた論文が国際雑誌に発表された。 ・学会発表について:日本国内学会(埼玉県和光市)とで国際学会(台湾高雄市)でそれぞれ1回本研究で得られた研究成果について研究発表を行った。
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