研究概要 |
JSPSの外国人特別研究員として東工大にParas Btalla氏を招聘し、高橋と共同研究を行った。東工大のピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて揮発成分がシリケイトメルトの表面張力に及ぼす影響を調べる実験した。この研究はマグマと結晶の濡れ角を急冷実験試料を用いて観察し、H2O、CO2の濡れ角に与える影響を調べるためのものである。BHALLA氏は計50回の高圧実験に成功し、電子顕微鏡観察、電子線プローブマイクロアナライザー化学分析装置を用いて実験回収試料の分析を行った。 ピストンシリンダー装置を用いて2.5-3.5GPaの圧力下でマントル物質〔カンラン岩〕のソリダスにH2O、CO2が与える影響を評価し、メルトの存在形態をK20の共同と関連して解析した。この実験結果に基づき、高橋が2006年にScience誌に発表したアセノスフィア由来の火山活動(Hirano Takahahsi et al,2006)のマグマがどのように集積上昇したかを検討した。研究成果を、2007年7月にドイツのケルンで開催されるゴールドシュミット国際会議にてBhalla氏が発表し、2007年12月には米国地球物理学会年会(サンフランシスコ)において高橋が講演を行った。現在、2編の論文をNature誌、および専門誌(Journal of Petrology)にそれぞれ投稿準備中である。なお、Paras Bhalla氏はドイツHalle-Wittenberg大学に研究員として2008年5月から就職が内定している。
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