研究概要 |
キバラン帯はアフリカ中央部に広く分布する中期原生代変動帯で、超大陸ロディニアの形成過程の研究において重要な位置を占めると考えられてきたが、野外調査が困難なため、その地質学的研究は大きく遅れている。キバラン帯には、Ni,Ta,Nbなど希少金属鉱床が花崗岩マグマ活動に伴って知られている。これら希少金属鉱床は電子産業に不可欠な金属元素であることから、世界最貧国の一つであるコンゴ民主共和国の発展のためには、これら鉱物資源の開発の基礎となる鉱床学的調査研究は重要である。本研究目的は、キバラン帯の精細な調査を行い、花崗岩と希少金属鉱床の分布と化学的特徴についての研究を行う。それに続く岩石学的・地球化学・同位体年代学分析により、岩石学的・鉱床学的特性を総合的に解析し、キバラン帯の形成モデルを構築する。KOKONYANGI氏は、キバラン帯の精細な地質調査と岩石学的・地球化学・同位体分析をすでに行っており、それら研究成果により形成年代や火成・変成作用の特徴を明らかにしてきた。平成17年11月30日の採用開始後、既に得られたデータ解析を行いその成果を国際学術雑誌に投稿した。平成18年2月19日からと3月19日のにかけて、コンゴ民主共和国キバラン帯において現地地質調査を行い、地質構造の解析を行い、あわせて岩石・鉱床試料を採集した。採集された鉱床および岩石試料について、XRF,ICP-Msを用いて鉱物学的、地球化学的分析を開始した。データ処理のため、設備備品費にコンピューター/プロンターを購入した。これまで得られた研究成果を国際学術雑誌に発表した。
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