当研究室で提案している楕円を用いた新しい変調方式に関する研究を積極的に展開している。楕円変調は従来様々な変調方式が提案されていたが、その殆どが円に元ずく正弦波を基本としていた。今回提案している楕円変調はそのような既成概念を打ち破る全く新しい概念の変調方式であり、円ではなく楕円を用いる。楕円を用いることで離心率を初め、長軸角度、長軸回転等の新しいパラメータが表現でき信号伝送の世界に新しい研究分野を構築した。 本研究の成果の例としては、楕円変調に位相変調の概念を負荷したEPSK (Elliptical Phase Shift Keying)方式に関して、様々な角度から検討を加えた。具体的には8EPSK方式にTCM (Trellis Coded Modulation)方式を用いた場合におけるパラメータ設定方法やその具体的な特性を示している。検討結果では提案方式がConvolutional 8 PSK方式等との比較において優れた特性を示すことが明らかにした。 また、関連研究としてOFDM伝送に関するものも行っており、具体的にはH.264のビデオをレイリーフェージング環境下で転送する場合に関して、STBC-OFDM (Space-Time Block-Coding-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)にLDPC (Low Density Parity Check)符号化方式やUEP (unequal error protection)を組み合わせた場合における各種特性に関して検討を行った。
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