本研究は、マイクロデバイスを用いて作成した超微小溶液チャンバーを用いて、1分子のDNAを解析する技術開発を目的とする。本年度は、まだ実験開始後2ヶ月ほどしか経過していないが、既に体積20fLのチャンバー中において、1分子のDNAの制限酵素反応が確認することに成功した。具体的には、蛍光染色されたDNAを制限酵素(BamH1)をアクリルアミドで作成したマイクロチャンバーに封入し、外から反応開始用のバッファーを添加し、反応を開始させた。その後の様子を顕微鏡下で観察したところ、観察開始時は1分子であったDNAが2本、3本と増えていく様子が観察された。これは、制限酵素反応によってDNAが断片化していくものと解釈される。今後は、この反応を制御良く行なうためのデバイスの再設計とともに、DNAの長さを1分子レベルで計測する技術開発を行う。
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