研究概要 |
本研究では、葉緑体チラコイド膜ルーメンに存在するイミュノフィリンの生化学的な性質および生理学的な重要性を明らかにすることを目指している。特に、イミュノフィリン蛋白質が相互作用する相手の同定を研究目的の一つにおいており、本年度は、下記のような研究を実施した。 (1)葉緑体に局在するイミュノフィリンのうち、12種類のFKBPについて発現系を構築した。 (2)これらのプラスミドで大腸菌を形質転換し、可溶性の蛋白質を得て、10種類については、特異抗体の作成ができた。 (3)新たに作成した抗体を用いて、野生型および変異イミュノフィリンで形質転換したシロイヌナズナについてチラコイド膜タンパク質の分析を行った。その結果、FKBP16-1がLHCIIと共局在すること、16-2,19がPSIと共局在すること、16-4,18がPSIIと共局在することを明らかにした。 (4)タンデムアフィニティー精製用タグをもった5種類の葉緑体イミュノフィリンの発現系を構築し、シロイヌナズナの形質転換を行ったが、結果はまだ得られていない。
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