研究課題/領域番号 |
05F05453
|
研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
長濱 嘉孝 基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 教授
|
研究分担者 |
ZHAO Haobin 基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 外国人特別研究員
|
キーワード | 性分化 / メダカ / セルトリ細胞 / ライディッヒ細胞 / 芳香化酵素 / 精原細胞 / 卵母細胞 / 生殖細胞 |
研究概要 |
我々の研究室では、ヒトの性決定遺伝子SRYに次いで、脊椎動物で二番目となるメダカの性決定遺伝子(DMY)を同定した。このDMYは精巣分化に先駆けてXYメダカ生殖腺の体細胞(セルトリ細胞)で発現を開始する。従って、このDMYの機能を解析するためにはメダカのセルトリ細胞の細胞株を確立する必要がある。そこで昨年度は、メダカの精巣からセルトリ細胞を分離し、それらの細胞を用いてセルトリ細胞細胞株を確立することを試みたところ、2種類の体細胞株が得られた。本年度はこれらのうちセルトリ細胞株と判定された細胞株を用いてDMY遺伝子やDMRTl遺伝子の発現制御機構を解析する計画であったが、この細胞株における遺伝子マーカー(Sox9)の発現が一定しないことが判明したので、Zhaoさん自身はこの研究を中断することに決めた。しかし、引続き我々の研究室でこの細胞株の形態的、生理的、発現パターンの特徴などについて詳細な解析を行っている。 これらの研究とは別にZhaoさんは、eukaryotic initial factor 4E-tranporter(4E-T)のショウジョウバエホモログであるCup遺伝子(ショウジョウバエではNanosと結合して卵巣発達を調節する)をメダカからクローニングし、OI4E-Tと命名した。この遺伝子はメダカの卵巣では卵母細胞に、また精巣では精原細胞に強い発現を示した。さらに、この遺伝子がコードする蛋白質はeIF4EとYTKEELLの配列を介して結合することが明らかになった。今後この遺伝子の性分化、生殖腺の形成、生殖細胞の形成に果す役割を明らかにしたいと考えている。
|