研究課題
本研究の目的は、多能性の誘導・維持における転写因子Sox2の機能を解明、ならびにSox2非依存的にOct3/4-Sox2標的遺伝子が活性化される分子機序を解明することである。ES細胞が分化多能性を維持する上において、複数の転写因子の重要性が示唆されているが、私達は、4つの転写因子(Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4)をマウス線維芽細胞にレトロウイルスベクターで導入することにより、ES細胞に類似した多能性幹細胞(ips細胞)が誘導されることを報告した。Sox2以外の3転写因子をマウス線維芽細胞に導入した場合、形態や遺伝子発現でES細胞に類似した細胞が誘導されるが、多能性は有していない。この現象をふまえて、3因子導入により得られるES細胞類似細胞を用いて、Sox2追加導入効果、Oct3/4-Sox2標的遺伝子発現に与える影響、およびSox2以外のSoxファミリーの発現・機能の確認などを行った。その結果、転写因子導入による体細胞の多能性獲得機構において、4因子におけるOct3/4に比肩したSox2の重要性を確認するとともに、ES細胞特異的遺伝子の再活性化にはたす大きな役割が推察された。今後、3因子によるES細胞類似細胞を基軸としたiPS細胞樹立法に向けて、ES細胞遺伝子発現プロファイルやSoxファミリータンパク質のゲノム上の標的部位のさらなる解析により、Sox2によるエピジェネティックリプログラミング過程における機能の詳細な解明が期待される。
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