研究概要 |
量子情報分野において量子もつれ(エンタングル)状態は非常に重要である。これまでの多くの研究は2粒子系での量子相関に関するものであった。これに対し、多粒子系における量子もつれが、量子情報分野において、より本質的であり、また重要視されるようになってきている。本研究では、多粒子(多モード)系を含めた量子もつれに関するより深い知見を得るため、基礎研究を理論、実験の両側面から行った。 理論では、entanglement Witness, Concurrence(共にエンタングルメント測度)、CHSH不等式の一般化等、多粒子系のエンタングル状態の評価に不可欠な理論の構築を行った。実験では、1.5dBの振幅スクイーズド光の生成には成功したが、真空スクィーズド状態の生成はできなかった。使用した超短パルスの持つスペクトルが30nm以上と非常に広帯域であり、その全帯域にわたって50/50の分岐率を得られないことが主原因であると考えられる。これを解決するためには時間幅1ps程度でスペクトルがフーリエ限界となる光パルスを用いなければならないと考えている。
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