研究概要 |
本研究は糖鎖の伸長・分解を触媒する糖質関連酵素についてX線結晶構造解析により反応機構・基質特異性の構造基盤を獲得し、タンパク質工学的手法を用いた有用オリゴ糖合成への応用を目的としている。 ビフィズス菌はラクト-N-ビオース(Ga1-β1,3-GlcNAc)を資化するユニークな代謝経路を持つが、その資化能は加リン酸分解酵素(LNBP)のラクト-N-ビオース分解能に由来する。Bifidobacterium longumのLNBPについて構造解析を行い、基質との複合体構造解析およびドッキングシミュレーションにより反応機構を決定した。LNBPの立体構造は糖質加水分解酵素と類縁の構造を有し、その加リン酸分解は加水分解と類似の機構で進行することが分かった。一方既知の加水分解酵素には見られない特徴として、基質の結合状態によって大きく構造を変化させることを明らかにした。
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