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2006 年度 実績報告書

表明選好法における回答者の意思決定メカニズムの解明と生態系評価への適用

研究課題

研究課題/領域番号 05J00468
研究機関早稲田大学

研究代表者

三谷 羊平  早稲田大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード環境評価 / 表明選好法 / 実験経済学 / 公共財供給実験 / 仮想バイアス / 選好の多様性 / 自然再生 / 離散選択モデル
研究概要

表明選好法における回答者の意思決定メカニズムを明らかにし、生態系などの非市場財の適正な評価を可能にすることを目的として研究を行っている。
(1)仮想バイアスに関する実験研究
閾値付公共財供給ゲームにおける、経済的インセンティブを課した実際支払(real payment)となんらインセンティブを課さない仮想支払(hypothetical payment)、及び公共財の真の価値(induced-value)の関係を分析した。仮想支払では一部の被験者に異常な行動(aberrant behavior)を誘発するが、平均的には需要表明(demand revelation)に関するパフォーマンスに差はないこと、両支払とも真の価値と正の比例関係をもつこと、実際支払では性差(gender differences)は生じないが、仮想支払では性差が生じることなどが示された。
(2)主観的認識の形成と選好への影響
絶滅危惧種の絶滅リスクに関して、主観的な絶滅確率(subjective perception)の形成と絶滅回避に対する支払意志額(preference)の形成を同時方程式モデルで推定した結果、理解度や知識が主観的認識に影響を与えると同時に、支払意志額は主観的認識の影響を受けることが示された。これらの分析により、統計的に観察される選好の多様性は、主観的認識のばらつきの影響を受け得ることが示された。
(3)釧路湿原達古武沼における自然再生の経済的評価
北海道及び全国市民を対象としたウェブ調査を実施し、釧路湿原達古武沼における自然再生の経済的評価を行った。離散選択モデルを用いて、選好の多様性の有無とその発生要因を詳細に分析すると同時に政策的含意を考察した。北海道市民の間には、自然再生を高く評価する環境意識が高いグループとレクリエーション利用などを高く評価する流域住民を多く含むグループが存在することが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 潜在クラスモデルを用いた選好の多様性の把握 : 文化遺産の利用活用対策評価を事例として2006

    • 著者名/発表者名
      三谷羊平
    • 雑誌名

      早稲田経済学研究 64

      ページ: 113-132

  • [雑誌論文] 環境評価研究の動向と今後の課題 : 自然公園管理への応用を中心に2006

    • 著者名/発表者名
      庄子康, 栗山浩一, 三谷羊平, 拓殖隆宏, 宮原紀壽, 竹内憲司
    • 雑誌名

      環境経済・政策学会年報第10号 : 環境再生 10

      ページ: 60-72

  • [雑誌論文] Valuing Environmental Preferences through Hypothetical Choice in Survey2006

    • 著者名/発表者名
      Yohei Mitani
    • 雑誌名

      Institute of Behavioral Science News Letter Oct/Nov

      ページ: 3-4

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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