オーストラリアの砂漠地帯ウーメラに設置された、解像型大気チェレンコフ望遠鏡であるCANGAR00-III望遠鏡におけるステレオ解析プログラムを、グループ内に2つ存在する独立解析グループのうちの一方の中心として開発・整備を行った。 2005年8月にインドで行われたInternational Cosmic-Ray Conferenceにおいて、大天頂角のステレオ観測と2003年に行われたかにパルサー/星雲の解析結果について口頭発表をおこない、また他のチェレンコフ望遠鏡グループの人々と積極的に情報交換を行った。 2005年5月には1ヶ月現地に滞在して、ガンマ線パルサーPSR B1509-58を観測を行った。2004年度に取得したデータと合わせて現在も解析を進めている。また11月から12月にかけて1ヶ月現地に滞し、Flash ADCの組み込みと作動試験、データ収集を行ったのち、かにパルサー/星雲の観測を行い、グループ内では初となる現地でのクイック解析を開発したプログラムを用いて行い、有意なガンマ線信号を捕らえていることを確認した。2006年3月の日本物理学会年次大会ではCANGAROO-IIIのステレオ解析手法およびその結果について口頭発表を行った。 データ解析の高速化を図るため、次世代型高速プロセッサであるCell Broadband Engineの導入を検討し、その第一歩としてパルサーの周期解析プログラムを移植し、従来のCPUと比較して10〜100倍の高速化を実現した。またその結果について2006年3月の日本天文学会年会においてポスター発表を行い、大きな反響を得た。
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