研究概要 |
平成19年8月28日〜平成19年10月11日の約一か月半の間、中国青海省海南チベット族自治州共和県においてフィールドワークを行い、論文の内容のチェックおよび、なぞなぞやことわざなどの収集と分析を行った。論文の内容は、アムド方言の系統、類型的特徴、言語使用状況にはじまり、音韻や文法体系の記述、親族名称、色彩語彙などの特殊な語彙にわたる。附録として、筆者の集めた談話、なぞなぞ、ことわざの資料を付した。 その他、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「記述的言語研究コミュニティー構築プロジェクト」(略称:Fieldling,代表:中山俊秀准教授)における、「文法スケッチ」を目的とするサブ・プロジェクトに参加してチベット語アムド方言の文法概要をまとめ、(海老原志穂「チベット語アムド方言」中山俊秀・山越康裕(編)『文法を描く・2-フィールドワークに基づく諸言語の文法スケッチ-』)、同研究所共同研究プロジェクト「チベット=ビルマ系言語からみた文法現象の再構築1:格とその周辺」(代表:澤田英夫准教授)でアムド方言の格体系に関する発表を行った。 昨年度行った調査をもとに、中国甘粛省天祝県におけるアムド方言の音韻記述も行った(別所裕介・海老原志穗「チベット語パリ方言とその言語使用状况について」)『京都大学言語学研究』).
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