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2006 年度 実績報告書

ヒトCD8^+T細胞の分化・成熟に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05J05174
研究機関熊本大学

研究代表者

高田 比呂志  熊本大学, 大学院医学教育部, 特別研究員(DC1)

キーワードCD8 T細胞 / エフェクター / 分化 / 成熟
研究概要

ヒトCD8^+T細胞の機能や分化・成熟過程は依然として不明な点が多い。本年度は、細胞傷害活性を有するエフェクターCD8^+T細胞に焦点を当て、その機能的多様性と分化・成熟過程を解析することを目的とし、研究を行った。
健常人由来の末梢血単核球をマルチカラーフローサイトメトリー法にて、3つのエフェクター分子Perforin(Per)、Granzyme A(GraA)、Granzyme B(GraB)および、T細胞分化マーカーの発現を解析したところ、ヒトCD8^+T細胞は5つの異なるエフェクター分子を発現する集団で構成され、ヒトCD8^+T細胞がPer^-GraA^-GraB^-→Per^-GraA^+GraB^-→Per^<low>GraA^+GraB^-→Per^<low>GraA^+GraB^+→Per^<high>GraA^+GraB^+と分化・成熟してゆくことが示唆された。さらに、EBVおよびHCMV特異的CD8^+T細胞のエフェクター分子の発現様式と細胞傷害活性の違いから、Per^<high>GraA^+GraB^+のCD27^-CD28^-フェノタイプを示すCD8^+T細胞が、エフェクター細胞集団であることが示された。炎症性サイトカインIL-8は、生体内でCD8^+T細胞の機能に大きな影響を与えていると考えられるが、IL-8の受容体であるCXCR1のCD8^+T細胞上での発現を解析したところ、Per^+のCXCR1^+CD8^+T細胞はエフェクターサブセットの過半数を占め、IL-8に対して遊走能を示した。さらに、エフェクターサブセット中のCXCR1^-細胞は活性化するとTNF-α、IFN-γ、IL-2を産生し、IL-2非存在下においても自己増殖能を示した。反対にCXCR1^+細胞はIL-2のみ産生が見られず、IL-2非存在下においては増殖能を示さなかった。
これらのことから、CXCR1^+CD8^+T細胞はもっとも分化・成熟の進んだターミナルエフェクター細胞であり、単一であると考えられていたエフェクターCD8^+T細胞が機能的に多様な細胞によって構成されていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Functional Expression of Chemokine Receptor CCR6 on Human Effector Memory CD8^+ T Cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Kondo
    • 雑誌名

      European Journal of Immunology 37・1

      ページ: 54-65

  • [雑誌論文] Functional and phenotypic analysis of human memory CD8^+ T cells expressing CXCR3.2006

    • 著者名/発表者名
      Naoki Kobayashi
    • 雑誌名

      Journal of Leukocyte Biology 80・2

      ページ: 320-329

  • [雑誌論文] Three memory subsets of human CD8^+ T cells differently expressing three cytolytic effector molecules.2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Takata
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 177・7

      ページ: 4330-4340

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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