研究概要 |
本年度は,マルチポート連想メモリとSIMDアーキテクチャとの組み合わせによる超並列演算コプロセッサのハードウェア作成を行い,マルチポート連想メモリの研究をさらに進める目的で以下の通り実施した. (1)マルチポート連想メモリをベースとした超並列演算コプロセッサに関する,基本アーキテクチャの検討を新規性及び有効性の観点から検討し,特に画像,音声及び動画等のマルチメディア処理において十分に結果が得られるものであることを確認した. (2)(1)のアーキテクチャを,CADツールとシミュレーションソフトを用いて,ハードウェア記述言語であるverilog-HDLによって作成し,その有効性を確認した. (3)(1)のアーキテクチャをJPEGアプリケーションに適用,ワークステーション等の装置によりシミュレーションを実施した.その結果,処理速度及び圧縮効率の観点で既存のアーキテクチャより有効であることがわかった.また,この結果を国際学会及びワークショップにおいて3件発表した. (4)(1)のアーキテクチャの処理を,シミュレーションではなく実際のハードウェアとして動作するか確認するため,再構成可能素子であるFPGAを用いて実装した.評価用ボードのセットアップを行い,USBインターフェースを介してPCからデータを入力,その処理が正常に行われていることを確認した.現在この結果を論文として投稿中である. 以上の結果を踏まえ,来年度は提案アーキテクチャのASIC化,及び新規アプリケーションの提案を行いさらに検討を進めたい.
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