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2005 年度 実績報告書

対人恐怖症や統合失調症等にみられる自我漏洩感の維持プロセスの解明と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05J05375
研究機関横浜国立大学

研究代表者

佐々木 淳  横浜国立大学, 教育人間科学部, 特別研究員(PD)

キーワード自我漏洩感 / 対人恐怖症 / 統合失調症 / 自我障害 / 対処方略
研究概要

自我漏洩感とは、対人恐怖症や統合失調症等に広くみられる重要な症状であり、自分の内面的な情報(感情や思考)が他者に伝わったと感じる体験である。自我漏洩感については、これまで実証的な研究が行われてこなかったため、治療法開発に至っていない。本研究課題では、この自我漏洩感による苦痛を長びかせる要因(維持要因)を対処方略の観点から明らかにする。平成17年度は、実際にどのような対処方略が行われているのかを明らかにし、測定尺度(自我漏洩感対処方略尺度)を作成した。まず、大学生に対する面接調査によって、苦痛な自我漏洩感に対してどのような対処方略をおこなっているのかを聴取した。ここで集められた対処方略を項目化し、再検査信頼性、内的整合性の2つの信頼性を検討した。そして、それぞれの対処方略がどのような効果を持っているのかを縦断調査により確認した。
まず、収集された項目を因子分析した結果、自我漏洩感対処方略尺度は8つの下位尺度をもっていることが明らかになった。各下位尺度の再検査信頼性、内的整合性は十分なものであることが確認された。そして、縦断調査の結果から、自我漏洩感の苦痛を下げる効果を持っている対処方略と自我漏洩感の苦痛を高めてしまう効果を持っている対処方略が特定された。また、自我漏洩感は、その生起する状況によって性質が異なることが明らかになっているが、対処方略に関しても状況に応じて効果が異なることが示唆された。
本研究の成果は、心理学雑誌への投稿論文としてまとめられ、現在査読中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生における自我漏洩感を苦痛にする要因2005

    • 著者名/発表者名
      佐々木淳ら
    • 雑誌名

      心理学研究 76,4

      ページ: 397-402

  • [雑誌論文] 羞恥感における逆U字的関係の成因に関する研究〜対人不安の自己呈示モデルからのアプローチ〜2005

    • 著者名/発表者名
      佐々木淳ら
    • 雑誌名

      心理学研究 76,5

      ページ: 445-452

  • [図書] SSRIとSAD2005

    • 著者名/発表者名
      原井宏明ら
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      ライフ・サイエンス

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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