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2005 年度 実績報告書

音楽から見た歌舞伎-明治時代における歌舞伎の古典化と陰囃子の変遷-

研究課題

研究課題/領域番号 05J05770
研究機関東京芸術大学

研究代表者

土田 牧子  東京芸術大学, 大学院・音楽研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード日本音楽 / 歌舞伎 / 三味線音楽 / 明治 / 劇音楽
研究概要

(1)歌舞伎陰囃子の基本資料となる付帳の資料調査と、(2)付帳をもとにした陰囃子の分析とを平行して行った。
(1)付帳の資料調査は、国立劇場所蔵の杵屋栄二旧蔵本、早稲田大学演劇博物館所蔵の六合新三郎旧蔵本と富士田音蔵旧蔵本の3つのコレクションを対象としている。1000冊を越える東京の現存付帳(閲覧可能なもの/国立劇場公演の記録用付帳を除く)の全貌が明らかになりつつある。
(2)陰囃子の分析に関しては、歌舞伎のジャンルごとに分析を行い、その成果を論文発表2件(昨年執筆したものの出版1件を含む)、学会発表を2件として発表した。
昨年度の東洋音楽学会秋季大会で発表した「義太夫狂言の陰囃子-陰囃子『定型』の確立の経緯をめぐって-」では、義太夫狂言における陰囃子の変遷を辿り、その変化の過程と現行の「定型」の確立のメカニズムを探った。同名の論文を昨年度中に『東洋音楽研究』に投稿し、本年度8月に出版された。
また、今年度の東洋音楽学会秋季大会(2005年10月)では、「活歴物の陰囃子」を口頭発表し、明治に生まれた新ジャンルである活歴について、河竹黙阿弥と福地桜痴という二人の作者の作品を比較しつつ、活歴作品の音楽演出の特徴を解明した。
今年度の歌舞伎学会秋季大会(2005年12月)では、世話物の例として黙阿弥の白浪狂言を取り上げ、「白浪狂言の音楽演出」として発表した。白浪狂言の代表作を対象に、幕末から現行までの変遷を辿り、現行の「定型」が確立する過程を明らかにした。この研究は、同名の論文として『歌舞伎-研究と批評-』に執筆し、来年度6月に出版が予定されている。
このほか、2006年1月出版の『歌舞伎-研究と批評-』の特集「霜夜鐘十字辻占」の一部として、同作品の付帳翻刻を行なった。また、例年行っている陰囃子の研究会の成果報告を「《資料紹介》陰囃子総合付帳私案(八)」(共同執筆)を今年度の『楽劇学』に発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] <翻刻>明治二十八年九月市村座陰囃子付帳『霜夜鐘十字辻占』・『源平布引瀧』2006

    • 著者名/発表者名
      土田牧子
    • 雑誌名

      歌舞伎-研究と批評- 36号

      ページ: 48-74

  • [雑誌論文] 《資料紹介》陰囃子総合付帳私案(八)2006

    • 著者名/発表者名
      石橋健一郎, 金子健, 龍城千与枝, 土田牧子, 配川美加
    • 雑誌名

      楽劇学 13号(未発行)

  • [雑誌論文] 義太夫狂言の陰囃子-陰囃子『定型』の確立の経緯をめぐって-2005

    • 著者名/発表者名
      土田牧子
    • 雑誌名

      東洋音楽研究 70号

      ページ: 55-72

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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