2005年にインドのデリー州ニューデリーにおいて、路上生活経験のある少年を対象に、彼らが自らの路上生活およびその経験についてどのように評価しているのか聞き取り調査を行った。こうした少年たちが路上生活を継続する・止める理由について、彼らに生活支援活動を行うNGOのとの関係性に焦点をあて考察し、2006年7月の日本子ども社会学会にて発表を行い、同学会に論文を投稿した。 また、2006年9月、10月、引き続きニューデリーにおいて、路上生活経験のある子どもたちへのNGOの教育支援に焦点を当て、NGOの教育の理念・実践が子どもたちの生活状況の向上といった観点からどのような可能性と問題を有しているのか、ストリートチルドレンの保護・エンパワーメントといった共通する活動の中でも、それぞれ異なる教育的実践を行う3つのNGO職員と、NGOと関係をもつ路上生活経験のある少年たちを対象とした聞き取り調査と教育活動の参与観察から明らかにした。その調査結果を2006年11月の九州教育学会にて発表し、同学会に論文を投稿した。 また同学会において、「教育が多様な価値を認めるということ-その困難性と多様性-」と題しラウンドテーブルで、2005年、2006年を通じて行ったNGOにおけるストリートチルドレンに対するインタビューの中から、NGOによる教育支援を受ける過程での彼ら自身の教育に対する考え・態度に焦点を当て子どもの路上生活経験と公的な教育における達成との関連性を考察した「子ども路上生活経験と教育」と題し発表を行い、それを論文にまとめ九州大学大学院教育学コース院生論文集に執筆した。
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