研究課題
本研究では、(1)通信品質劣化を防ぐハンドオフ決定指標に関する実無線環境での有効性の検討、(2)実時間及び非実時間のための提案機構の実装及び評価,の二つの項目について研究を行った。昨年度までの研究により、通信品質の劣化を防ぐハンドオフ決定指標としての「フレーム再送回数」の有効性をシミュレーション実験によって検証した。そこで本年度はフレームの再送回数の有効性を実環境で調査し、無線区間の通信品質を示す一般的な指標である「電波強度」との比較を行った。その結果、再送回数は(1)移動、及び遮蔽物、(2)電波干渉、による通信品質の劣化を迅速に検知できることを明らかにした。以上の研究成果を国際会議UCS2006において報告した。この再送回数の有効性に関しては、昨年度投稿したInternet-draftを更新し、標準化活動を継続して行っている。また、昨年度までに提案したVoice over IP(VoIP)等の実時間通信を対象とする「マルチモーダル通信環境に対応可能な複数コネクションを利用したトランスポートプロトコル」の実装を完了し、国内展示会Interop2006においてポスター発表を行うと共に、世界最高峰の国際会議の一つであるMobihoc2006においてデモ発表を行った。これに加えて、非実時間通信についても、昨年度提案したフレーム再送回数に基づいた無線LAN間のハンドオーバ管理機構についても、その研究成果をIEEEのメジャー会議の一つであるCCNCにおいて口頭発表を行った。この実時間・非実時間用のハンドオーバ決定機構の結果をまとめ、世界最高峰のマガジンIEEE Wireless Communications magazineへの採録が決定した。以上の結果から、フレーム再送回数を用いることで、実時間及び非実時間の双方についても通信品質の劣化のないハンドオーバを実現できることを明らかにした。またこれと平行し、昨年度提案した無線LANとセルラーネットワークのシームレスハンドオーバを達成するResource-awareハンドオーバの実装を用いて、国内展示会CEATEC2006でデモ発表を行った。今後は国際会議においてデモ発表を行う予定である。さらに、この実装を用いて、実無線環境での有効性の検証を行ったので、今後この研究成果を国内研究会及び国際会議において発表する予定である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (10件)
IEICE Transactions on Communications E89-B・6
ページ: 1825-1836
IEEE Wireless Communications Magazine, Special issue on "Technologies on future converged wireless and mobility platform" (掲載決定)
IEICE Transactions on Communications (掲載決定)
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Internet Engineering Task Force, Internet Draft (Web公開)
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ACM MobiHoc2006 (Web公開)
電子情報通信学会 2006年ソサイエティ大会 (CD-ROM)
電子情報通信学会 (IN研究会) 106・358
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