平成17年度は、研究課題「沖縄県高齢者の戦争体験に関する臨床心理学的研究-調査研究と実践研究を通して-」の実践研究の部分にあたる、「戦争体験を語ることを中心としたグループ・アプローチ」を計画通りに実施することができた。 平成16年より行っていた予備研究で、7地域のグループごとに、参加者および実施地域のアセスメントを行い、「参加者自身がどういうグループにしたいか」を参加者と実施者(筆者と各地域の保健師ほか)が一緒になって話し合う機会を数回持った。 そして、平成17年4月より、参加者の要望を十分に取り入れた参加者主体のグループを始めた。グループによって、プログラムの内容は若干異なっていたが、いずれのグループにおいても、60年間ずっと語らずに、あるいは、語ることができずにいた戦争体験にまつわる話や気持ちなどを語り合うことが中心であった。自分のペースを大切にし、無理に話さない、無理に話させようとしないという点は、グループをファシリテーションする上で特に留意した。 参加人数および実施回数は、A地域は11名で8回(月1回)、B地域は8名で8回(月1回、1泊2日の宿泊セッションあり)、C地域は9名で7回(月1回)、D地域は12名で12回(月1回)、E地域は10名で8回(月1回)、F地域は8名で8回(月1回)、G地域は15名で10回(月1回)であり、平成18年3月までに全てのグループでプログラムが終了した。これは、研究計画通りであった。現在は、プログラム終了から1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後のフォローアップ・セッションを各グループで実施している。また、研究成果を発表するため、結果の整理等に取り組んでいる。
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