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2005 年度 実績報告書

sp2シリルアニオンを用いた新規π電子共役系分子の創成

研究課題

研究課題/領域番号 05J07339
研究機関筑波大学

研究代表者

井上 茂義  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードシリルラジカル / シリレンアニオンラジカル / ジシレン / 金属架橋二量体 / ジシレンジアニオン / 相互変換挙動 / 金属ナフタレニド / クラウンエーテル
研究概要

シリルラジカル種は高周期14族元素化学における最も基本的な三配位中間体であり、古くから精力的に研究されてきた。最近、我々は嵩高い置換基による速度論的安定化効果を用いてシリルラジカルを初めて単離することに成功し、その分子構造について明らかにしている。一方、金属が置換したシリルラジカルは金属イオンの解離を伴ってシリレンアニオンラジカルと平衡が考えられ、また、その二量体である1,2-ジメタロジシランや、金属架橋二量体、ジシレンジアニオンとの平衡も可能な化学種であり、それらの構造だけで無くその相互変換挙動についても興味が持たれる化学種である。今回、この金属置換シリルラジカル及びその構造異性体の合成及び性質の解明を目的とした。
・金属置換シリルラジカル二量体(金属架橋二量体)の合成と性質
置換基に非常に嵩高いシリル基を四つ有するジシレン1をTHF中、金属ナフタレニドを用いて二電子還元すると金属置換シリルラジカルの二量体2を初めて単離することに成功した。X線構造解析、理論計算から2が、ジシレンジアニオン構造ではなく金属架橋二量体構造であることを明らかにした。また、ESR測定から2が、溶液中で金属置換シリルラジカル単量体へ解離していることを明らかとした。
・金属置換シリルラジカル単量体及びシリレンアニオンラジカルの合成と性質
ジシレン1をTHF中、金属ナフタレニドを用いて二電子還元した後、クラウンエーテルを添加することで金属置換シリルラジカル単量体及びシリレンアニオンラジカルを初めて単離することに成功した。X線構造解析及びESR測定の結果、シリレンユニットは還元前後での構造変化は少ないく、また金属置換シリルラジカル単量体(接触イオン対)であるかシリレンアニオンラジカル(溶媒分離イオン対)であるかは、金属及びクラウンエーテルのサイズ、溶媒の配位性などに大きく依存することを明らかとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Disilenyl Anions Derived from Reduction of Tetrakis(di-tert-butylmethylsilyl)disilene with Metal Naphthalenide through Disilene Dianion Intermediate : Synthesis and Characterization.2005

    • 著者名/発表者名
      Shigeyoshi, INOUE
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 34

      ページ: 1564

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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