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2006 年度 実績報告書

sp^2シリルアニオンを用いた新規π電子共役系分子の創成

研究課題

研究課題/領域番号 05J07339
研究機関筑波大学

研究代表者

井上 茂義  筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードケイ素 / sp^2型シリルアニオン / シレン / シラピーターソン反応 / 1,2-ジシラアレン / 分子内[2+2]環化付加反応
研究概要

sp^2型のシリルアニオン種は、ケイ素-ケイ素二重結合を保持したまま様々な化合物に導入できることから、含ケイ素不飽和結合化学種合成のための新規なビルディングブロックとして期待できる化合物である。しかし、合成上の困難さから報告例は極めて少なく、ごく最近報告された数例のみである。従って、その合成だけでなく反応性については大変興味が持たれており魅力的な研究対称である。そこで本研究では、すでに合成に成功しているsp^2型のシリルアニオン種を用いて新規な含ケイ素不飽和結合化学種の合成を行うことを目的とする。
・シリルアニオン置換シレンへの展開
sp^2型シリルアニオンと2-アダマンタノンの反応ではシラピーターソン型の反応を経て1,2-ジシラアレン中間体を形成し、系中のシロキシリチウムの付加によりシリルアニオン置換シレンが生成することを見出し、その単離及び構造解析に成功した。各種NMR、UVスペクトル、X線構造解析及び理論計算の結果から、1,2-ジシラアレンの共鳴構造の寄与がほとんどないことを明らかにした。
・四員環シレンへの展開
sp^2型シリルアニオンと1-アダマンチルカルボニルクロリドとの反応では、アシル置換ジシレンを経て分子内[2+2]環化付加反応が進行し、四員環状のシレンが生成することを見出した。各種NMR、UVスペクトル、X線構造解析及び理論計算の結果から環内の隣接したカルボニル酸素原子の影響でSi=C二重結合の分極が増大し、sp^2ケイ素がピラミッド化していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Conversion of Disilenide into Silene : Silyl Anion-substituted Silene via a 1,2-Disilaallene Intermediate by a Sila-Peterson-type Reaction from an sp^2-type Silyl Anion.2007

    • 著者名/発表者名
      Inoue, S., Ichinohe, M., Sekiguchi
    • 雑誌名

      Angew.Chem.,Int.Ed (印刷中)

  • [雑誌論文] Stable Cyclic Silenes from Reaction of Disilenides with Carboxylic Acid Chlorides2007

    • 著者名/発表者名
      Bejan, I., Guclu, D, Inoue, S., Ichinohe, M., Sekiguchi, A., Scheschkewitz, D.
    • 雑誌名

      Angew.Chem.,Int.Ed (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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