研究概要 |
^<14>Beの陽子非弾性散乱実験のデータ解析を行い、第一2^+準位を同定した。この反応では^<12>Beと2中性子が放出されるが、このすべての放出核の運動量ベクトルを導出し、不変質量法により相対エネルギースペクトルを導出することができる。運動量ベクトルの導出において2中性子検出が1つのキーポイントとなる。今日まで2中性子検出の方法が確立していなかったために^<14>Beをはじめとするボロミアン核の非束縛領域の研究が進んでいないといえる。この2中性子検出に対しては、^7Li(p, n)実験のデータ解析をすることにより2中性子の検出・解析法についての知見を得ることができた。 解析の結果、^<12>Be+2nの相対エネルギー0.3MeV付近に^<14>Beの第一2^+準位に対応するピークを観測した。またこのピークの断面積は13.5mbであることがわかった。この非弾性散乱断面積は^<12>Beの陽子非弾性散乱で求められた断面積よりも小さく、^<14>Beの変形が^<12>Beに比べて小さくなることを示唆している。この結果は3月末に愛媛大学で行われる日本物理学会第61回年次大会において成果発表を行う予定である。 今後非弾性散乱における^<14>Beの散乱角度を解析し、角度分布から変形長の導出を行う。変形長を導出することができれば、^<14>Beの^<12>Cを用いた非弾性散乱で導出された変形長と比較することにより、^<14>Be中の陽子・中性子の変形を別々に導出することができると期待している。また理論との比較により、^<14>BeをはじめとするBe同位体における殻構造の変化や魔法数の消失、また変形に対する理解を目指す。
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