球の一部を切り取った形状のガラス超半球は超解像を有するSolid Immersion Lens (SIL)や高い閉じ込め効率を実現する光共振器として機能する。我々は前年度までの研究で、ガラス融液を炭素質基板上に保持することで微小ガラス超半球を精度良く簡便に作製できるSurface-tension Mold (StM)法を開発し、作製したガラス超半球の光機能(SIL、光共振器)を実証してきた。ガラス微粉を基板上で熱処理することで一度のプロセスで同一形状の微小ガラス超半球を作製できることがわかっている。 StM法で得られる微小ガラス超半球をデバイスに実装する場合、粒径の揃ったガラス超半球を基板上に並べて作製する技術の開発が不可欠である。本年度の研究では、オプティカルコンタクトとリソグラフィーの組み合わせにより、均一な粒径の微小ガラス超半球の作製を実現した。 ブローイング法により作製した厚さ約10μmのガラス箔(Na_2O-CaO-SiO_2系)を、オプティカルコンタクトによりグラッシーカーボン基板に貼り付けた。このガラス箔をリソグラフィーによりタイル状に切り分けた後、StM処理を適用してガラスタイルを超半球状に成形し、アレー状微小ガラス超半球を作製した。得られたガラス超半球の粒径は27±2μmと狭い分布となっており、接触角は133±3°であった。これはSILに求められる形状を満たし、このガラス超半球がSILの機能を有していることがわかる。 本研究により、形状の整った素子を一度に大量に作製できるStM法が、オプティカルコンタクトとリソグラフィーの組み合わせにより、粒径の均一化と素子の配列化を実現できることを実証した。
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