研究課題
近年、LSIを代表とする半導体デバイスにおいて、熱問題が深刻化の一途をたどっている。本研究では、現在広く用いられている半導体トランジスタであるSi MOSFET及びn型・p型MOSFETを組み合わせたCMOSに着目し、熱問題に取り組んでいる。半導体デバイスの作成には多大なる費用と時間を要するため、熱問題に取り組むためには数値解析が非常に大きな役割を果たしている。半導体デバイス内部では、電気的現象と熱的現象が非常に強い連成を示しており、温度分布・発熱挙動を解析するためにはこれら双方を考えなければならない。そのため、熱・電気連成解析が必要となる。熱・電気連成解析の結果は、計算モデルのメッシュサイズに依存し、正確な解析結果を得るためには、ある程度小さなメッシュを用いる必要性がある。しかし、最適なメッシュサイズの指針を提案している例はない。そこで、本研究では、熱・電気連成解析における解析結果のメッシュサイズ依存性を明らかにし、最適なメッシュサイズを理論的に導き出した。本研究では、「キャリア温度」と「局所のキャリア数密度」を取り入れた「新しいデバイ長」を提案し、熱・電気連成解析における最適なメッシュサイズは、この「新しいデバイ長」より小さいものである必要性があることを明らかにした。さらに、「新しいデバイ長」を基準としたメッシュゾーニングを行うことにより、正確で迅速な解析を可能にすることに成功した。これにより、解析時間を大幅に縮小し、正確な解析を行うことが可能となったため、Si MOSFETが二つ並んでいるCMOSの解析、さらにはより広い領域に対する解析に要する時間も削減することが可能となり、Si MOSFETからLSIまでの温度分布を一括でかつ短時間で予測することを目的としたマルチフィジックス現象解明に向けて大きな飛躍を遂げることができた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (9件)
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