1.14C-acetateのin vitroでの動態。acetateは、神経細胞、ミクログリアに比し、アストロサイトへの取り込みが優位であった。アストロサイト培養系にOGD(oxygen glucose deprivation)を施行。OGD6-12時間後をピークにacetateの取り込みが増加し、MCT-1発現レベルに関与した。臨床上、低体温で用いられる温度域、即ち33度で培養すると37度より、acetateの取り込みは低下した。現在、ヒトにおけるacetate画像を進めているが、並行してヒト神経系、アストログリア系、オリゴデンドロサイト系細胞株によるヒト細胞レベルーヒト画像化の連携した解析を行っている。神経細胞グリア共培養系を作成、神経のシナプス活動がアストロサイトの代謝に与える影響、因子を検討している。 2.初代神経細胞培養系におけるCREB-CRE転写活性の動態。OGD後著明にCRE転写活性が亢進するが、CREB KID domainに加え、bZIP domainによっても調節されていた。その制御機構は従来報告されている以外のカスケードが主で、これらのカスケード阻害による細胞保護効果を検討している。 3.虚血後神経細胞新生。海馬新生神経細胞並びに、虚血後の側脳室周囲から線条体にかけて遊走していく幼若神経細胞にて内因性CREB Ser133リン酸化が亢進。海馬では、幼若神経細胞の生存に、CREB、BCL-2が重要な因子であることを報告。海馬においては、PDEIV阻害薬投与による薬理学的CREB-CREカスケードの活性化は、海馬新生神経細胞の生存を亢進した(論文化)。一方、BCL2-Tgマウス、CREB dominant activeマウスにて、adeno化DACREB、Jet PEIを用いたDACREB plasmid導入による、神経細胞新生の促進について検討している。
|