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2005 年度 実績報告書

心不全の病態における小胞体ストレス誘導性心筋細胞アポトーシスの重要性

研究課題

研究課題/領域番号 05J09743
研究機関大阪大学

研究代表者

塚本 蔵  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード心不全 / 心筋細胞アポトーシス / 小胞体ストレス / CHOP / ユビキチン・プロテアソーム系
研究概要

我々はマウスの圧負荷による肥大心、不全心モデルにおいて、小胞体ストレスが誘導され、さらに、心筋細胞アポトーシスが認められる不全期に小胞体特異的アポトーシスシグナルであるCHOPの発現が増加していることを報告している。そこで、我々は、心不全の病態進展にCHOPが重要な役割を担っていると考え、CHOPのRNAiやCHOPノックアウトマウスを用いた検討を行った。ラット培養心筋細胞にて、小胞体誘導薬剤の投与により小胞体発信アポトーシスシグナルであるCHOP、JNK、カスパーゼ12の活性化が認められ、心筋細胞アポトーシスが誘導されたが、このアポトーシスは、RNAiによるCHOPの発現抑制により有意に抑制されたが、JNK阻害薬やカスパーゼ12阻害薬では抑制されなかった。また、CHOPのノックアウトマウスに対し圧負荷を与えたところ、shamと比し、心筋細胞アポトーシスの減少と心機能の改善を認めた。さらには、ヒト不全心においてもCHOPの発現が著明に増加していることを確認した。
以上より、CHOPを介する小胞体ストレスシグナル活性化により心筋細胞アポトーシスが誘導され、心不全への進展に関与する可能性が示された。一方、小胞体ストレスに対する適応現象として、ユビキチン・プロテアソーム系(U/P系)細胞内蛋白質分解機構が活性化する。そこで、我々はマウス圧負荷モデルにて、心不全の進展におけるU/P系の役割について検討した。
その結果、圧負荷による心機能低下が出現する以前より、左心室のプロテアソーム活性低下、心臓細胞内へのユビキチン化蛋白質、およびproapoptotic蛋白の蓄積が認められ、その後、経時的に増悪し、心筋細胞アポトーシスの誘導と心低下が認められた。さらに、ヒト不全心においても心筋細胞内にユビキチン化蛋白質の蓄積が認められた。
以上より、圧負荷後の左心室プロテアソーム活性低下が、分解抑制によるproapoptotic蛋白の蓄積を介し、また、小胞体ストレスの増強を介して、心筋細胞アポトーシスを誘導する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Depression of proteasome activities during the progression of cardiac dysfunction in pressure-overloaded heart of mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Osamu Tsukamoto
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 320・4

      ページ: 1125-1133

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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