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2007 年度 実績報告書

超伝導高周波トラップを用いた反水素原子の大量合成と高精度分光

研究課題

研究課題/領域番号 05J10513
研究機関東京大学

研究代表者

堀 正樹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワード反陽子 / 加速器物理 / レーザー分光 / 反陽子ヘリウム / 超伝導空洞 / ビーム検出器 / 超微細構造 / イオントラップ
研究概要

2007年度は、欧州合同原子核研究機構CERNの反陽子減速器施設を用いて、反陽子ヘリウム原子の二光子吸収分光実験を行った。そして、反陽子ヘリウム原子の二光子遷移エネルギーを、3ppbという世界最高精度で計測することに成功した。これによって、素粒子物理の基本的な定理と考えられているCPT対称性を、従来よりも高い精密で検証した。この実験では、まず反陽子ヘリウム原子を5ケルビンという低温標的中で100万個合成した。次に、出力波長を10桁の精度で安定化させたcwチタンサファイアレーザーをパルス増幅して、この光線を原子に照射した。この際に、特別な波長の組み合わせを利用することによって、原子内で非線形な二光子遷移をひきおこすことに成功した。次に、超伝導ポールトラップを開発して、振幅4キロボルト、周波数35メガメルツ、Q=100万の特性をもった空洞を実現した。このトラップは、高純度ニオブ製で、電子ビーム溶接を用いて建設したものである。超流動ヘリウムで常時、1.8度ケルビンに保たれる。ニオブ電極の表面では、数メガボルト毎メートルという非常に強い電場が発生するが、これによって電子が発生し、放電を誘発するという問題が発生した。現在、表面の洗浄方法や、電極の形状を工夫することによって、この問題を解決しようとしている。また、反陽子ビームを測定する新型の検出器を開発した。これは、厚さ数百ナノメートルのカーボンフォイルに反陽子が衝突した際、発生する二次電子をとらえて、高感度カメラで撮影する仕組みになっている。特殊な加速電極を用いることによって、数ナノ秒という超高速シャッターを切ることができる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial and temporal beam profile monitor with nanosecond resolution for CERN's Linac4 and Superconducting ProtonLinac2008

    • 著者名/発表者名
      M.Hori, K.Hanke
    • 雑誌名

      Nuclear Instrument and Methods in Physics Research A 588

      ページ: 359-374

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improved study of the antiprotonic helium hyperfine structure2008

    • 著者名/発表者名
      T Pask, D.Barna, A.Dax, RS.Hayano, M.Hori, D.Horvath, B.Juhasz, C.Malbrunot, J.Marton, N.Ono, K.Suzuki, J.Zmeskal, E.Widmann
    • 雑誌名

      Journal of Physics B 41

      ページ: 81008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antiprotonic helium and CPT invariance2007

    • 著者名/発表者名
      R.S.Hayano, M.Hori, D.Horvath, E.Widmann
    • 雑誌名

      Reports on Progress in Physics 70

      ページ: 1995-2066

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.cern.ch/asacusa

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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