• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

光ファイバネットワークを搭載した先進複合材構造動的健全性評価システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 05J11722
研究機関東京大学

研究代表者

西川 雅章  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード繊維強化複合材料 / 構造健全性 / FRP(Fiber reinforced plastic) / 単繊維複合材料試験 / マルチスケールモデリング / 数値破壊シュミレーション
研究概要

繊維強化プラスチック(Fiber Rein forced Plastic, FRP)は比強度・比剛性に優れており,軽量化のニーズが高い航空宇宙産業では,その適用範囲が大幅に拡大している.近年FRPの特性を活かすべく,構造物に発生した損傷を非破壊検査により監視することで,その健全性を常に判断し,信頼性を確保する損傷許容設計が重要視されている.こういった構造ヘルスモニタリング技術の実用を考えた場合,定量的に検出した内部損傷がどれだけ実機の運用に支障があるかを常に判断できれば,整備・点検や修理・再設計の指針が得られ,必要最低限の適切な補修の実施が可能となる.このような背景で,検出された損傷の大きさに対して構造健全性が十分であるかを判断する為には,内部損傷を持つ複合材料構造全体の強度を評価する手法の開発が必須である.
そこで,構成材料単位の破壊プロセスを考慮したマルチスケールモデリングにより,内部損傷プロセスをイメージでき,なおかつ複合材料の強度を評価できる数値シミュレーションの開発に取り組んだ.これまでに開発した結合力要素手法を応用し,繊維破断過程に対してモンテカルロ法を導入し,繊維破断や界面の剥がれ,樹脂の破壊といった構成材料単位の破壊プロセスに関するシミュレーション手法を提案した.また,微視損傷モデルの妥当性の検証や較正を,単繊維複合材料試験(フラグメンテーション試験およびマイクロボンド試験)を利用することで実現している.まず,炭素繊維・エポキシ樹脂を利用した単繊維複合材料試験を実施し,偏光顕微鏡によるその場観察および走査型電子顕微鏡を利用した繊維引き抜き後の観察を行い,繊維破断部や界面近傍の微視破壊プロセスについて調べた.さらに,構成材の破壊特性を基に解析可能な微視損傷解析を構築し,実験結果をよく再現することを示した.今後はこれらの結果を基にマルチスケールモデリングを行い,構造健全性評価のための強度解析を行なえる手法を確立する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of matrix hardening on tensile strength of alumina-fiber reinforced aluminum matrix composites2006

    • 著者名/発表者名
      Tomonaga Okabe, Masaaki, Nishikawa, Nobuo Takeda, Hideki Sekine
    • 雑誌名

      Acta Materialia 54巻9号

      ページ: 2557-2566

  • [雑誌論文] 面外負荷を受けるCFRP直交積層板の層間はく離進展シミュレーション2006

    • 著者名/発表者名
      西川雅章, 岡部朋永, 武田展雄
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集A編 72巻720号

      ページ: 1246-1253

  • [雑誌論文] FRP直交積層板における損傷進展を対象とした数値シミュレーション2006

    • 著者名/発表者名
      岡部朋永, 西川雅章, 武田展雄
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集A編 72巻720号

      ページ: 1254-1261

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi