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2007 年度 実績報告書

閉弦の場の理論におけるディリクレ膜の記述

研究課題

研究課題/領域番号 05J11762
研究機関東京大学

研究代表者

礒野 裕  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードDブレイン / 超弦理論 / 共形場理論 / インスタントン / 素粒子理論
研究概要

平成19年度は、平成17,18年度の研究において定義した開弦における境界条件の研究を発展させた。開弦における境界状態とは、複数のディリクレ膜(Dブレイン)が共存する状況において、一方のDブレインが開弦を放出吸収する状況を記述する、共形場の理論の状態である。平成17、18年度の段階ではボソン弦においてのみ開弦の境界状態が定義されていた。一方、Dブレインが交差するような物理系は、フェルミオン弦をも含む超弦理論において重要な役割を果たすことが知られている。例えば、素粒子の標準模型を導く交差するDブレイン系や、ゲージ理論の非摂動的側面において重要な役割を果たすインスタントン解を再現するD3-D(-1)ブレイン系等である。これらに開弦の境界状態を適用することを考えると、これを超弦理論に拡張することが必要であった。私は、平成19年度の研究において、実際に開弦の境界状態を超弦理論に拡張することに成功した。その際、ボソニック弦のときのやり方をそのまま安直に踏襲すると境界状態の定義に不定性が生じることがわかる。それを解決するために、弦の場の理論の相互作用バーテックスの定義の仕方を参考にし、ボソニック弦の揚合を含みかつ不定性をなくすような定義を開発した。重要な応用としてD3-D(-1)ブレイン系を挙げる。この系において、以前からD(-1)ブレインは、D3ブレイン上のゲージ理論のインスタントンに対応する、とさまざまな証拠から信じられていた。私は、D(-1)を表す開弦の境界状態を構成し、D(-1)ブレインから放出される開弦に含まれるゲージ場がインスタントン配位を示すことを、弦理論的に示した。これはD(-1)ブレインがインスタントン配位を表すことを弦理論的に示した最初の事例であり、重要な意味を持つと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Boundary state of superstring in open string channel2008

    • 著者名/発表者名
      (第一著者)今村 洋介
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics Vol.119,No.4(採録決定済)

    • 査読あり
  • [学会発表] 開弦セクターの境界状態と弦の場の理論2008

    • 著者名/発表者名
      礒野 裕
    • 学会等名
      日本物理学会第63回年次大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-24
  • [学会発表] フェルミオニックな開弦の境界状態の解析2007

    • 著者名/発表者名
      礒野 裕
    • 学会等名
      日本物理学会第62回年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-24

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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