研究課題
昨年度、発見されたGRB060218-SN2006aj、そして本年度発見されたGRB080109-SN2008dなどはガンマ線バーストから通常の超新星が連続的な系列で繋がっていることを示した証拠だといえる。これらの現象を解釈するに、大質量星の重力崩壊の条件の違いが、このような差を生んでいるということが予想される。私の研究はこのような重力崩壊をする前の親星の性質の違いが、実際の爆発現象にどう影響するのか考察するものであるが、このような観測の発展により本研究の重要性は高まっているといえる。本年度は磁場を使った爆発メカニズムの普遍的な特徴を議論した。今までの研究では初期に仮定する磁場を強く(10^12Gなど)仮定してきた。しかし今回は今まであまり議論されていなかった初期に仮定した磁場が弱いモデルも議論した。これは私が開発した特殊相対論的磁気流体コードを用いたため、長時間安定な計算が可能になったことによる。この計算により自転優位な系で億磁場のエネルギーは場の巻き込みによりどんどん増幅されるため、時間を度外視すれば、爆発に必要なだけの磁場のエネルギーは得られることがわかった。外から落ちてくる物質のラム圧力を超える磁気圧さえ生成できれば磁場により大質量星を爆発させることができるのである。このことは逆に言えば、外から落ちてくる物資の強度が爆発に必要な磁場の強さを決めているともいえる。このことは初期磁場の強い弱いに関わらず普遍的に成立することが私の計算によりわかった。本結果はAstrophsical Journa1に投稿済みで、現在査読中である。
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The Astrophysical Journal 665
ページ: 43-46
Publications of the Astronomical Society of Japan Vol.59,NO.4
ページ: 771-785