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2006 年度 実績報告書

深部低周波微動の定量的モデル構築によるプレート境界における物理過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05J11814
研究機関東京大学

研究代表者

中村 祥  東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード深部低周波微動 / 超低周波地震 / スロースリップ / 時系列解析 / 低周波地震 / 沈み込み帯 / 国際情報交換 / アメリカ
研究概要

1.報告者が開発に携わった、波形の特徴的周波数構造を求める手法(平均散逸スペクトル法)を四国西部の最近のデータ、および紀伊半島,東海における深部低周波微動波形データにも適用した結果、前年度に得られた深部低周波微動の特徴的な周波数構造は、場所,時間によらず深部低周波微動の普遍的な性質である可能性が示唆された。また、連続微動波形中に含まれ、孤立的な相として判別できるため震源の位置がより正確に決定できる、孤立的な低周波イベント(気象庁では低周波地震というフラグをつけて震源を決定している)についても同手法により周波数構造を求めた結果、連続微動と同様の周波数構造を持つ可能性が得られた。さらに、手法の新しさから、結果の正しさを証明するために、波形スペクトルのスタッキングという従来から行われている手法により深部低周波微動波形のスペクトル解析を行った結果、複数のスペクトルピークが、平均散逸スペクトル法で得られたものと一致した。
2.報告者は、David Shelly博士,井出哲講師らと共に、四国西部の連続微動波形内に存在する孤立的低周波イベントのtomoDD法と相互相関を用いた詳細震源決定に関わった。報告者は、主にデータ準備,議論の面で貢献した。その結果、Shelly et al. 2006によって、四国西部の孤立的低周波イベントの震源はプレート境界面上に帯状に分布しているという結果が得られた。
3.深部低周波微動の微弱な振幅の問題、および震源深さの不確定性を解決するため、名古屋大学の中道,渡辺らと東海(名古屋)地域において、深部低周波微動の到来方向推定,シグナルスタッキングを目的としたアレイ観測を行った。報告者は、観測計画,観測機器設置回収,定期メンテナンスといった観測全般で貢献した。
4.San Andreas断層近傍において、深部低周波微動と非常に良く似た特徴を持つ微動現象が発見された。報告者は、この現象と深部低周波微動との関係性を調査する目的で、U.S. Geological Surveyに1ヶ月間滞在し、当該現象の幾つかのイベントに対し、波形解析を行った。エンベロープ相関法を用いた震源決定の結果、震央の位置は、先行研究とほぼ同じCholame付近に決定され、震源の深さは先行研究よりもやや浅い、20km-30kmと推定された
5.上述の研究結果を、日本地震学会秋季大会および、The Physics of Fluid Oscillations in Volcanic Systems Workshopにおいて研究発表を行った。また、研究成果を、国際学術雑誌に論文として投稿、受理された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Automatic SeismicWave Arrival Detection and Picking with Stationary Analysis : Application of the KM_2O-Langevin Equations

    • 著者名/発表者名
      Sho Nakamula, Minoru Takeo, Yasunori Okabe, Masaya Matsuura
    • 雑誌名

      Earth Planet and Space (In press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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