研究概要 |
1.新規フルオレセイン骨格(TokyoGreens, TGs)を母核として開発したアルカリフォスファターゼに対する蛍光プローブ(TG-Phos)の蛍光特性を精査した。その結果、β-ガラクトシダーゼに対する高感度蛍光プローブ(TG-βGal)と同様大きな蛍光強度変化を示し、高感度かつ定量的にアルカリフォスファターゼ活性を検出可能であることを示した。さらに、アルカリフォスファターゼがウェスタンブロッティングの検出用酵素として汎用されていることから、TG-Phosを用いてブロット上のターゲット蛋白質を蛍光検出可能か検討した。その結果TG-Phosは、加水分解生成物である2-Me-4OMe TGがブロット膜に対し適度な吸着性を示し、既存の蛍光プローブ(FDP(fluorescein diphosphate)、ELF97 phosphate、DDAO-phosphate)よりも高感度かつ幅広い検出手法にてブロット上のターゲット蛋白質を検出可能であることを示した。以上の結果から、TG骨格を母核として蛍光プローブを開発することで、従来のフルオレセインを母核としたプローブや市販の蛍光プローブを用いては実現不可能であった高感度かつ幅広い検出手法を確立することに成功した(M.Kamiya, Y.Urano, N.Ebata, M.Yamamoto, J.Kosuge & T.Nagano. Angewandte Chemie Int.Ed.44,5439-5441(2005))。 2.これまでに開発した高感度β-ガラクトシダーゼ蛍光プローブ(TG-βGal)を用いてさらなるアッセイ行い、本プローブの汎用性の高さを示した。
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