研究課題/領域番号 |
05NP0204
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
高井 康雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (40011796)
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研究分担者 |
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (30018048)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
長野 敏英 東京農業大学, 農学部, 教授 (10012006)
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
久馬 一剛 京都大学, 農学部, 教授 (80027581)
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キーワード | 熱帯林 / 熱帯雨林 / 湿地林 / 森林生態学 / 植物生態学 / 修復 / 微気象 / 温室効果ガス |
研究概要 |
熱帯雨林研究においては、東マレーシア・サラワクの生態系長期観察区の50ヘクタール・プロットにおいて、マークした立木総数は35万本以上、全種数1500種以上と推定、280本以上の立木の季節生長の精密測定などランビル国立公園の熱帯雨林が生物多様性(種多様性)の高い、原生的な東南アジア型の熱帯雨林であることを確認した。植物の分布から屋根/谷型土壌を植生が微妙に棲みわけていること、それを伝統的な地域住民が見分けて持続的な焼畑をおこなってきていたことなどを確認した。また2基のツリータワー、300mにわたる地上30〜40メートルのウオ-クウエイおよびフィールドラボラトリ-を建設し、森林の垂直構造と生物季節、着生・寄生植物、鳥や昆虫などの動物と植物との相互作用を調査した。 熱帯湿地林においては、南タイナラチワの湿地林の中に建設した観察タワーと測地調査により、特異性の高い森林生態系が成立しており、常緑広葉樹の混交林を構成する木本植物は板根、呼吸根などの空中根を発達させており、多彩なツル植物が樹幹にからみつき、植生の貧弱な林床には特殊なシダ植物やヤシ類が繁茂していることを明らかにした。森林破壊の環境に及ぼす影響を知るため、観測タワーを利用し、微気象法による植物群落と大気の間の熱交換及びガス交換をモニターして、湿地林が破壊されると熱・水分・炭酸ガスなどの交換特性に変化を生じ、とりわけ乾季において大きな変化となることがわかった。また放棄された泥炭湿地に森林を再生する試みとしてMelaleuca等湿地性の木本の導入を試みている。 温室効果ガス発生については、タイ、インドネシアの代表的水田6ケ所及びタイの湿地林からのメタン発生を経時的の測定し、その年間発生量が赤黄色ポドゾル土で著しく大きく、酸性硫酸塩土できわめて少ないこと、湿地林からは水田の6分の一程度の年間メタン発生量が認められることを示した。
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