研究課題/領域番号 |
06041002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 教授 (00100058)
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研究分担者 |
クーシェフ M. ノリリスク永久凍土研究所, 主任研究員
レフチエンコ G. ロシア科学アカデミー, ヤクーツク永久凍土研究所, 研究員
マカロフ V. ロシア科学アカデミー, ヤクーツク永久凍土研究所, 部長
山形 定 北海道大学, 工学部, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 工学部, 助教授 (00190869)
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キーワード | シベリア湿原都市域 / 北極圏大気環境汚染 / 大気中濃度測定 / 大気浮遊微粒子 / 二酸化硫黄 / 二酸化窒素 / 硝酸ガス |
研究概要 |
今年度は、7月17日から8月13日まで,ロシア連邦ヤク-ツク市、チクシー市およびネリュングリ市を訪れ、調査を行った。ヤク-ツク市およびネリュングリ市においては、本研究班が開発した分子拡散サンプラーを用いて市内における大気中のSO_2およびNO_2の濃度分布測定を行った。このサンプラーは、直径3.5cm、高さ3.3cmのプラスティック容器に試薬を含浸させたろ紙と多孔質のフィルターを封入したものであり、大気中に数日間暴露することにより、大気中のガス濃度を測定できるものである。ただし、この暴露により捕集されたSO_2ないしNO_2量と大気中濃度との間の換算係数については、帰国後に札幌市内の大気環境測定局において分子拡散サンプラーと自動測定器との同時測定を行い、分子核酸サンプラーによる各ガス捕集量と自動測定器により得られた各ガスの大気中平均濃度との比較から決定した。 またヤク-ツク市内およびチクシー市郊外に大気浮遊微粒子・ガスサンプラーを設置して、大気浮遊微粒子とSO_2および硝酸ガスの一ヵ月間毎の連続測定を開始した。なお、チクシー市郊外の測定においては、北極海周辺域の代表的な大気汚染物質濃度を測定し、北極圏の大気環境汚染状態を把握することを目指している。そこで、チクシー市からの大気汚染物質の拡散による影響をさけるために、風向風速別サンプリング制御器を試作し、チクシー市からの風向で風速3m/秒の場合を除いて捕集を行う系と、風向風速には係わりなく連続捕集を行う系の、2系列のサンプリングシスフムを設置した。なお、ヤク-ツク市においては、シベリア湿原域の代表的な都市大気汚染物質濃度を測定する意味で、風向風速には無関係に連続捕集を行う1系列のみのサンプリング系を設置した。現在、捕集試料の一部を分析中であり、この測定を平成8年夏期まで2年間継続する予定である。
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