研究課題/領域番号 |
06041003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
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研究分担者 |
曽 富生 台湾中興大学, 農芸学, 教授
三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
大原 雅 北海道大学, 農学部, 助手 (90194274)
阿部 純 北海道大学, 農学部, 助教授 (00192998)
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キーワード | 野生ダイズ / Glycine属 / 地理的分布 / 生態 / アイソザイム遺伝子 / 遺伝子多様性 |
研究概要 |
1)平成6年9月末より10月初旬にかけて、韓国を訪れ、ほぼ全土に渡って野生ダイズ(G.sojaとG.gracilis)の分布と生態調査および種子の収集を実施した。野生ダイズは韓国の全土に広く、高密度に分布しており、日本と同様に比較的大きな河川敷や路傍に観察された外、田畑の畦畔にも多く観察された。特に、北東部において田畑の畦畔に栽培されているダイズと同所的に生育している野生ダイズが栽培ダイズに巻き付いているのが特徴的であった。 採集した種子からのアイソザイム遺伝子の分析から、韓国の野生ダイズ集団は遺伝子多様度が高く、特異的な対立遺伝子も幾つか観察され、野生ダイズの遺伝変異の中心地の一つと考えられた。 2)11月初旬に台湾全域とペンフ-島に生育していた野生ダイズの調査を実施した。その結果、Glycine属Glycine亜属の2種とSoja亜属の1種を調査・採集することができた。 G.tabachina;ペンフ-島の草本植生地にみつけられた数箇所の集団について調査した。強い海風により草丈は低く、個体密度も低かった。随伴植物も同様の特性をもっていた。 G.tomentella;台湾島の南端の岬の公園の駐車場の脇の草本植生の中に生育していた。蔓性であるが、草丈の高い植物がなく、匍匐状を呈していた。 G.formosana;台湾島の北西部の地域の3箇所の集団を観察した。この集団は、従来G.sojaとされてきたが、調査の結果から、東アジアに分布するG.sojaとは特徴的に異なり、古くに記載がなされているG.formosanaの種名で別種とするのが適当であると判断された。
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