研究概要 |
I:ボリビア共和国サンタクルス州のオキナワ移住地において次の調査を実施した。 1.日系人と現地ボリビア人の関係; 入植以来40年間の営農形態の推移を、4期(入植期・コロニア形成期・営農基盤整備期・現地社会融和期)にわけてたどり、各時期における移住地全体の営農形態と個別農家の営農戦略を、雇用問題を中心とする対現地人関係に重点をおいて事例研究した。 オキナワ診療所の外来患者の8割を占める現地ボリビア人の居住地域分布と疾病対処行動について組織的な聞き取り調査に着手し、これまでに得た300人のデータをもとに次年度はきめ細かな事例研究を計画している。 2.移住地における「日本」の影響; 移住地で生育した小・中・高校生のエスニシティと職業的社会化過程を現地人の子弟と比較対照させて組織的なアンケート調査を実施した。 3.出稼ぎ者調査; 帰国後,オキナワ移住地からの日本への出稼ぎ者の面接調査を、横浜市鶴見区と群馬県伊勢崎市で着手した。 II:ペル-のリマ市をフィールドにして,沖縄本島の一集落「備瀬」出身移民の適応過程を、同郷人ネットワークの形成および同郷性(エスニシテイ)選択行動に焦点を当てて調査研究。とくに、戦前に出稼ぎのためペル-へ渡りそのまま定着した20人の一世たちとその子孫の二世,三世の動向を把握した。日本へ出稼ぎに来ている二世,三世を対象にした調査を次年度予定している。
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