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1995 年度 実績報告書

シリア先史遺跡調査

研究課題

研究課題/領域番号 06041018
研究機関東京大学

研究代表者

松谷 敏雄  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30012975)

研究分担者 LEMIERE Mar  Maison de 1'Orient Mediterraneen Univers, 研究員
小口 高  東京大学, 理学部, 助手 (80221852)
小泉 龍人  早稲田大学, 文学部, 助手 (80257237)
黒沢 浩  明治大学, 文学部, 講師
西秋 良宏  東海大学, 文学部, 講師 (70256197)
古山 学  明治大学, 文学部, 講師
キーワードテル・コサック・シャマリ / 西アジア先史学 / ユ-フラテス / 新石器 / ウバンド / ウルク / 窯 / 土器製作
研究概要

平成6年度に行った第一次調査において、テル・コサック・シャマリ遺跡の南側斜面にA、B、C、Dの4つのトレンチを設定した。トレンチによる試掘調査の結果、上層からウバイド・ウルク期の遺講が多数検出され、その下方に位置する水成層を除去すると、下層で土器新石器文化の堆積層が確認された。
本年度は、上部のウバイド・ウルク期の遺構と、下部にある土器新石器の文化層の調査を主な目的とした。具体的には、上述のトレンチを軸にして平面的に発掘区域を拡げていった。Aトレンチ上部では、ウバイド期の住居址が長い間使用されていたことがわかった。礎石の上に日干しレンガを積み上げて形成された建物は、いくつかの小部屋に仕切られており、生業技術の貴重な証拠を良好に残している区画も見られた。Aトレンチ下部では、C・Dトレンチをつなげることにより、土器新石器時代の空間利用の復元に努めた。上層のウバイド文化層が予想以上に低いレヴェルにまで堆積している状況がつかめた。
また、Bトレンチでは、ウバイド後続期あるいはウルク期の生活区域を精査し、その実体を復元することに努めた。前年度に確認されていた土器焼成窯を中心として、土器づくりに関する施設が一定の時期に営まれていたことが推測された。各トレンチにおいても、各時期の生活を面的に捉えられ、満足のいく成果をあげることができた。
現段階では、本遺跡が長期間に渡って、様々な形態で利用されていたことが明らかになってきた。今後は、土器新石器に始まる本遺跡の生活利用をさらに解明すべく、より細かい精査を継続し、各トレンチで得られたデータを体系的にまとめあげていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松谷 敏雄(西秋良宏と共著)松本健 編: "シリアの先史時代遺跡テル・コサック・シャマリの調査(1993-1994年)『平成6年度西アジア史研究のデータベース化に関する総合的研究-第2回西アジア発掘調査報告書』" クバプロ. 35-42 (1996)

  • [文献書誌] Toshio Matsutani Co-author, Yoshihiro Nishiaki: "Preliminary Report on the Archaeological Investigations at Tell Kosak Shamali, the Upper Euphrates, Syria: the 1994 Season" Akkadica. 93. 11-20 (1995)

  • [文献書誌] 松谷 敏雄: "シリア・ユ-フラテス川上流域における新石器文化の研究 (3) 『第26回三菱財団事業報告書 平成7年度』" 三菱財団. (近刊). (1996)

  • [文献書誌] Toshio Matsutani Co-author, Yoshihiro Nishiaki: "The functions of bedrock pits from Pottery Neolithic sites in North Mesopotamia" Subartu. IV ( in press ). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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