研究課題/領域番号 |
06041019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 英典 東京大学, 教育学部, 教授 (30109235)
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研究分担者 |
佐藤 郁哉 茨城大学, 人文学部, 助教授 (00187171)
川嶋 太津夫 神戸大学, 大学教育研究センター, 助教授 (20177679)
金子 元久 東京大学, 教育学部, 助教授 (10185936)
THOMAS Rohle スタンフォード大学, 教育学部, 教授
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キーワード | 大学院 / カリキュラム / 構造化 / 比較研究 / 国際比較 / コースワーク / 社会化 / パラダイム |
研究概要 |
これまでの研究の進展状況の概要は以下の通りである-(1)3度にわたる全体研究会議、(2)数次にわたる予備折衡および国内文献・資料調査、(3)9月の第1回渡米、(4)12月の第2回渡米予定、(5)国内状況についての聞き取り開始。 国内で入手可能な資料の分析・現地調査・聞き取り等によって検討した、カリキュラムの構造と内容に関しては、米国の大学院においては〈コースワーク・資格試験・論文作成〉のシーケンスの構造は共通ではあるが、その内容には比較的大きな多様性があることが改めて確認された。 もっともこの点に関しては、多様性とともに一方での収斂についてもより深い考察を加える必要がある。すなわち、当事者の認識では米国の状況は多元的かつ多様であるが、日本との比較においてはカリキュラム構成、教授および教材の内容においてかなりの収斂が確認できる。この相違の背景として考えられる変数には、組織の生き残りの条件、プロフェッショナル集団の発達の度合い、学者の絶対数と層の厚さ、学会組織の構成などがあると考えられる。 また、カリキュラム運営の理想と現実に関して言えば、多くの学科で設定されるコア・コースの背景には、学問領域全般を見渡せるような「ルネッサンス的」な学者の養成が理想ないし建前としてあるが、現実にはスタッフ構成、学問の多元化状況、試験制度の限界などにより、その一部の履修にとどまることが多い事が明らかになった。
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