研究課題/領域番号 |
06041035
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
川田 順造 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50107835)
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研究分担者 |
真島 一郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (10251563)
塚田 健一 広島市立大学, 国際学部, 教授 (00227365)
中村 雄祐 東京大学, 教養学部, 講師 (60237443)
鷹木 恵子 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (60211330)
堀内 正樹 二松学舎大学, 文学部, 講師 (10209281)
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キーワード | アフリカ / 音文化 / 儀礼音楽 / マグレブ / サハラ以南アフリカ / 口承記譜法 / ラジオ放送 / 仮面儀礼 |
研究概要 |
調査研究実施計画に基づき、様式8に記した派遣期間と派遣国、調査内容で初年度の研究を行った。鷹木と堀内はそれぞれチュニジア、モロッコの儀礼音楽調査を行い、川田はそれにある期間合流し、サハラ以南、西アフリカ社会の音文化との相互影響関係の調査を行った。鷹木はサハラ以南起源の黒人憑依儀礼集団の音文化の、サハラ以南アフリカからの影響についての調査を深化させた。堀内は、モロッコ南部のベルベル人社会の儀礼音楽を調査し、とくにグワ-ナという黒人系儀礼集団の音文化の事例研究を行った。これらマグレブ地域と、サハラ以南の黒人アフリカ社会の音文化の間には、楽器の面でも、リズムにおいても、多くの相互影響関係が認められる。川田は、さらに第二回目の調査で、サハラ南縁に発達した、川田がそれぞれ「マンデ音文化複合」、「ハウサ音文化複合」と呼んできた音文化について、ニジェール、ブルキナファン、マリで、北アフリカとの関係に注目しつつ、二つの音文化複合の実態を調査した。塚田は、最近の一貫したテーマである、音文化における音象徴性、特に口承記譜法の調査を、ルヴァレ族(ザンビア)とファンティ族(ガーナ)について行った。中村も、かねてから調査を進めてきた音声による伝達が含む問題と、新しい媒体と伝達法がもたらすその変化について、今回はマリのラジオ放送の事例を研究した。真島は、コートディヴォ-ワールの仮面儀礼における音の研究について、今回は調査地のリベリア国境地帯が政情不安のため、情勢の好転を待ちながら、国立公文書館での文書収集およびダナネ市を基地とした移動調査を行った。これらの成果を比較対照することにより、アフリカの音文化の興味深い様相が明らかにされつつある。調査後の数度の検討を踏まえ、5月24日〜25日に開かれる日本アフリカ学会第32回学術大会では、全員が本研究の共通テーマのもとに共同報告を行う予定である。
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