研究課題/領域番号 |
06041046
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 弘明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40101472)
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研究分担者 |
オエップ エンゴラ カメルーン国科学技術省, 科学技術協力局, 研究員
川村 協平 山梨大学, 教育学部, 教授 (60126646)
中条 廣義 中部大学, 国際関係学部, 教授 (80207315)
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キーワード | カメルーン / コンゴ / 熱帯雨林 / 人口支持力 / 狩猟採集民 / 焼畑農耕民 / 土地利用 / 森林の持続的利用 |
研究概要 |
計画最終年度の平成8年度は、これまで実施してきたピグミー系狩猟採集民および焼畑農耕民の森林利用活動、人口動態等に関する現地調査の継続と捕充,ならびに適応的視点から狩猟採集民と焼畑農耕民の健康状況に関する調査をコンゴ国1地域、カメルーン国3地域、計4地域で行なった。以下では調査地域別に報告する。 1.カメルーン国南東部モロンド地区における狩猟採集民バカ族の調査を研究代表者と研究協力者山内が実施した.森林利用活動の時間空間構造およびエネルギー消費や身体能力と活動の負荷の把握、人口動態、森林有用資源の分布等の資料を収集した。とくに狩猟採集民バカの人口構造、身体計測、運動能力に関する系統的な資料は従来皆無に等しく、熱帯雨林の人口支持力を検討する上で貴重である。 2.カメルーン国南東部森林帯のヨカドマ地区とサバンナ帯のベルトゥア地区において焼畑農耕民の伝統的農法について研究分担者中条が土地利用、土壌生態の、植生の遷移に関する比較観察調査を実施した。とくに熱帯雨林における伝統的焼畑農法の持続的土地利用システムに関する資料は重要である。 3.カメルーン国首都ヤウンデの三つの市場における非樹木資源の出現に関する観察調査を現地研究分担者エンゴラ・オエプが農業経済学的視点から行った。 4.コンゴ国北部リクアラ州における狩猟採集民アカ族と焼畑農耕民ボンドンゴ族の調査を前者については研究代表者が、後者については研究協力者の塙と小松が実施した。とくに、焼畑農耕民の森林利用活動、獲得および生産される動植物資源の質・量、地域集団の人口動態に重点を置いた。カメルーンとは異なるより湿ったタイプの森林における焼畑農耕民の資源利用に関する資料が収集され、昨年度、収集された同地域における狩猟採集民の詳細な資料との比較検討が可能になった. この3年間の現地調査により、湿った熱帯雨林、乾燥した熱帯雨林、サバンナ境界の熱帯雨林、それぞれにおける農耕民と狩猟採集民の資源利用、人口動態に関する資料がほぼ当初の目的通り得られたので、今後、その成果をもとに熱帯雨林の人口支持力の検討を行っていきたい.
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