1996 年度実績報告書

ヒマラヤ雪氷圏における地球温暖化による影響評価の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号	06041051
研究機関	名古屋大学
研究代表者	上田豊名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80091164)
研究分担者	章新平湖南師範大学, 資源環境系, 助教授 BAJRACHARYA オー.アールネパール水文気象局, 主任研究官姚檀棟蘭州氷河凍土研究所, 教授 POKHREL A.P. ネパール水文気象局, 副局長樋口敬二中部大学, 国際関係学部, 教授 (50022512) 上野健一滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (00260472) 青木輝夫気象研究所, 物理気象研究部, 研究官窪田順平東京農工大学, 農学部, 助手 (90195503) 幸島司郎東京工業大学, 理学部, 助教授 (60183802) 末田達彦名古屋大学, 農学部, 助教授 (90109314) 瀬古勝基名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (70196971) 増澤敏行名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (40023858) 中尾正義名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90142695)
キーワード	ヒマラヤ雪氷圏 / 地球温暖化 / 影響評価 / 氷河変動 / 気候変化 / モンスーン / 衛星データ解析 / ネパール
研究概要	1.自動観側装置の維持平成6年度以来設置されている装置の点検・保守をするとともに、データの回収を行った。装置は、おおむね良好に稼働していた。 2.氷河変動の実体観測最近十数年来変動を監視している氷河を測量し、ショロン地域のAX010氷河では、ここ17年で地球温暖化にともない約20mの氷厚減少が観測された。 3.氷河変動機構に関する観測主にランタン地域で、氷河質量収支と熱収支・アルビード、氷河表面の厚い堆積物や池が氷河融解に与える効果などを、地上での雪氷・気象・水文観測、航空機によるリモート・センシング、衛星データ解析などから明らかにした。 4.降雪・降雨のサンプリング・分析・解析主にランタン地域で、水蒸気や化学物質の循環に関する試料を採取し、現在分析・解析中である。 5.衛星データ解析アルゴリズムの検証とマッピング SPOT衛星によるマッピングから雪氷圏の縮小、LANDSAT衛星TM画像から上記3.の堆積物効果などを明らかにした。 6.最近の気候変化解析ランタン地域で氷河積雪試料、その周辺で年輪試料を採取し、過去数十年の地球温暖化に関わる気候変化を解析中である。 7.最近十年間の氷河変動解析最近の航空写真・地形図を過去の試料と対比してマッピングした。 8.地球温暖化の影響の広域解析北半球規模の気候変化にインド・モンスーンが重要な役割を果たしていることが、明らかになりつつある。

研究成果

(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] Ageta,Y.et al.: "Characteristic of mass balance of summer-accumulation type glaciers in the Himalayas and Tibetan plateau." Zeitschrift fur Gletscherkunde und Glazialgeologie. 32. 61-65 (1996)
[文献書誌] Ageta,Y.et al.: "Some aspects of mass balance of Xiao Dongkemadi Glacier in the Taggula Mountains on Quinzang Plateau, 1989-94." Cryosphere. 2(予定). (1997)
[文献書誌] Fujii,Y.et al.: "Glaciological research in Hidden Valley, Mukut Himal in 1994." Bulletin of Glacier Research. 14. 7-11 (1996)
[文献書誌] Ueno,K et al.: "Establishment of the GEN Automatic Weather Station (AWS) in Khumbu region, Nepal Himalayas." Bulletin of Glacier Research. 14. 13-22 (1996)
[文献書誌] Rana,B.,et al.: "Runoff modeling of a river basin with a debris-covered glacier in Langtang-Valley, Nepal Himalaya." Bulletin of Glacier Research. 14. 1-6 (1996)
[文献書誌] Fujita,K. et al.: "Change of glaciers in Hidden Valley, Mukut Himai, Nepal Himalaya from 1974 to 1994." Journal of Glaciology. 43(予定). (1997)
[文献書誌] 中尾正義ほか: "ヒマラヤ雪氷圏における地球温暖化による影響評価の基礎的研究 -課題と展望-" 名古屋大学大気水圏科学研究所, 136 (1995)

1996 年度 実績報告書

ヒマラヤ雪氷圏における地球温暖化による影響評価の基礎的研究

研究代表者

上田 豊 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80091164)

研究成果

[文献書誌] Ageta,Y.et al.: "Characteristic of mass balance of summer-accumulation type glaciers in the Himalayas and Tibetan plateau." Zeitschrift fur Gletscherkunde und Glazialgeologie. 32. 61-65 (1996)

[文献書誌] Ageta,Y.et al.: "Some aspects of mass balance of Xiao Dongkemadi Glacier in the Taggula Mountains on Quinzang Plateau, 1989-94." Cryosphere. 2(予定). (1997)

[文献書誌] Fujii,Y.et al.: "Glaciological research in Hidden Valley, Mukut Himal in 1994." Bulletin of Glacier Research. 14. 7-11 (1996)

[文献書誌] Ueno,K et al.: "Establishment of the GEN Automatic Weather Station (AWS) in Khumbu region, Nepal Himalayas." Bulletin of Glacier Research. 14. 13-22 (1996)

[文献書誌] Rana,B.,et al.: "Runoff modeling of a river basin with a debris-covered glacier in Langtang-Valley, Nepal Himalaya." Bulletin of Glacier Research. 14. 1-6 (1996)

[文献書誌] Fujita,K. et al.: "Change of glaciers in Hidden Valley, Mukut Himai, Nepal Himalaya from 1974 to 1994." Journal of Glaciology. 43(予定). (1997)

[文献書誌] 中尾正義ほか: "ヒマラヤ雪氷圏における地球温暖化による影響評価の基礎的研究 -課題と展望-" 名古屋大学大気水圏科学研究所, 136 (1995)

1996 年度実績報告書

上田豊名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80091164)