研究課題/領域番号 |
06041054
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑山 正進 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20027551)
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研究分担者 |
船山 徹 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (70209154)
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (60201935)
岡村 秀典 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (20183246)
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キーワード | ガンダーラ / 仏教寺院 / 測量 / 編年 / インド / 伽藍構成 |
研究概要 |
この調査は、ガンダーラ仏教研究の基層をなす二大寺跡ジャマルガリ・タフテバヒ全体の平面図断面図の作製、構成建造物の測量を行い、また関連遺跡遺物との比較検討によって仏寺構成の編年的研究を目的とした。これにより従来不定の方法論により研究されてきた寺跡出土の彫刻の編年に新たな視点と枠組をあたえ、ガンダーラ仏教の展開過程をあきらかにしうるはずであった。大規模な上記寺跡の測量実現のためには最新の器機が不可欠であるが、精密測量を主眼とした調査にもかかわらず、また申請には備品費項目があるにもかかわらず、購入計上すら認められないという事態に至った。そのため現代の考古学水準としてはまことに時代おくれな手測りによる略測作業がしいられ、ために大規模寺域の全平面図作製はとうてい不可能となり、計画自体が小規模化と大きな変更を余儀なくされたのであった。 原始的測量では段差地形を測量できないから、寺域内の選択図化にとどまり、比較的測量の容易なジャマルガリにおいても、従来未測量の僧坊地区の三分の一以下に関する略測調査となった。四尾根にまたがる一層大規模なタフテバヒにおける測量は放棄した。代替として計画の第二であるタキシラ地域の寺跡を精査し、ダルマラージカ-では仏塔の細部形態を実測し、多数のサンプルを収集できた。この資料は仏塔の編年にきわめて有効であることが研究室に帯帰した段階であきらかになったので、今後も一層の収集につとめたい。ハンドの遺跡踏査、ペシャーワル、ラ-ホール等の博物館における仏塔遺物については写真撮影による資料収集をおこなった。以上は6年11月に全員で実施したものであるが、インドにおける調査は当時ペストにより阻まれたので、平静化をまって7年3月に2名を派遣し、ガンダーラ関連の仏塔仏他調査し、資料を収集した。
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