研究課題/領域番号 |
06041054
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑山 正進 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20027551)
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研究分担者 |
稲本 泰生 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (70252509)
船山 徹 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (70209154)
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (60201935)
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キーワード | 仏教寺院 / 建築細部 / 石積法 / ストゥーパ / ガンダーラ |
研究概要 |
インド北西部ルディアーナ近傍におけるサンゴール寺跡のストゥーパを踏査し、更にマトゥラ-博物館におけるストゥーパ遺物を撮影したのちパキスタン北部に入った。昨年度時間の都合上果せなかったスタート地方にまず入り、ブトカラ、パンル、サイドシャリフ、グンバトナ、ト-カルグンバド、チャトパト、アンダンデリー等のストゥーパにて建築細部の実測と全体撮影を実施し、石組の比較をおこなった。次にペシャーワル地方にて従来既発掘の寺跡を図面をもとにとくに石積のあり方に注意しつつ再検討を加えた。さらにタフティバイ・ジャマルガリ両寺跡において実測を行った。ジャマルガリ寺跡では昨年からの懸案であった来図化の建物群の略測を一部行うことができた。タフティバイでは中央ストゥーパコートの小建物群の造立順序の検討を略測をもとにその相互位置関係をも注意しつつおこなった。この調査のメインのひとつであるタキシラ地方の寺跡の精査は、今年度については最後に実施した。とくにダルマラージカ寺跡では末期の石積に重点をおいて遺構を調査し、発掘者マーシャルの記述とは異なった様相がみられることを明らかにできた。またこれに関連して、バマ-ラ、バッラール、バ-ダルプルなどの寺跡がタキシラ末期に属することがあきらかになった。これらの結論は各寺跡の建物の細部要素をたんねんに実測することと、それらの分類比較をもとに、そこから導き出されたものであり、この事実をさらに明確にするため来年度にダルマラージカ-に集中する必要がある。
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