研究課題/領域番号 |
06041057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
応地 利明 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60024212)
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研究分担者 |
三浦 励一 京都大学, 農学部, 助手 (60229648)
月原 敏博 大阪市立大学, 文学部, 助手 (10254377)
田中 樹 京都大学, 農学部, 助手 (10231408)
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キーワード | 在来農法 / 技術移転 / サヘル / 南インド / 生態環境基盤 |
研究概要 |
平成6年度は、7月〜9月を中心に西アフリカ地域のマリ国(応地、小林、田中、月原)、ブルキナファッソ国(応地、田中、月原)およびガーナ国(応地)で、亜湿潤(ギニアサバンナ)〜半乾燥熱帯(スーダンサバンナ及びサヘル)にわたる農業生態区での小農民による在来農業技術の実態と生態環境基盤に関する現地調査を実施した。また、往路、帰路にはフランス国にて各自が、文献・地図・航空写真資料などの収集にあたった。西アフリカ地域での調査は一時訪問法による広域調査と滞在型の農村調査から成り、構成員各自の分担に従い、在来農業技術の詳細の記録に類型化、有用植物資源の利用実態、家畜飼養の実態、作物や随伴雑草標本の収集、土壌断面調査などを行なった。滞在型農村調査を行なったマリ国・チオンゴン村では、現地研究者を含む構成員全員で集中調査を実施し、土地利用形態・在来ミレット農耕技術・農具・作物構成・戸別家畜飼養状況・土壌断面記載・土壌浸食の程度などを観察や聞き取りにより記録し、またGPSによる簡易測量で土地利用図の作成も行なった。10km下流に建設されたダムによりニジェール川畔任地の農耕地が水没したことによる農村社会や土地利用形態の変容、植民地時代に導入された北フランス式反転岸が在来技術や土地荒廃に及ぼした影響などについての考察を行なった。これらはいずれも在来農法技術の地域間移転の可能性を検討する際の基盤情報となる。なお、研究分担者、小林の死去(9月)により構成員の交替があったが適任者を得て当該分野(作物学)の研究が遅滞なく継続されている。現時点での研究の進捗状況は、多くが収集した情報・記録の整理や試料の分析の途上であるものの、平成6年度の研究成果の一部が、研究代表者・応地による著作(共著)として東京大学出版会より刊行予定である。
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