トルコの薬用植物資源に関する調査研究

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06041069
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 本多 義昭 京都大学, 薬学部, 教授 (00093310)
• 研究分担者: ERDEM Yesila Gazi大学, 薬学部, 教授 ; EKREM Sezik Gazi大学, 薬学部, 教授 ; 高石 喜久 徳島大学, 薬学部, 教授 (60035558) ; 田中 俊弘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90082990) ; 武田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70025716)
• キーワード: トルコ / 伝統薬物 / 薬用植物 / 遺伝子源 / 成分分析 / カンゾウ

研究概要

平成6年度は、当初、現地がもっとも緑に覆われる5月下旬の調査開始を予定していた。しかしながら、国会での予算通過が大幅に遅れたため、出発出来たのは現地が既に乾期に入った7月下旬であった。また、加えて現地はこの年の冬期の降雨量が少なかったために、通年より植物の生育量が少なく、トルコ側と相談して、降雨量の少ない年でも緑が豊かと思われる黒海沿岸部と、中部アナトリアでは2000m以上の高地を選択し調査を実施した
その結果、標本採集や試料収集に少なからず支障をきたしたが、隊員の努力の結果、薬用植物標本約900点、成分分析用資料40点(150kg)、薬用遺伝子源(種子等)30点を収集することができた。特記事項としては、今回の調査ではじめてカンゾウの一種であるGlycyrrhiza echinataを採集出来、スペインカンゾウ(G.glabra)についても数カ所で収集できた。現在、植物標本については、日本側とトルコ側とで折半して、順次分類学的同定の作業を始めている。分析用資料については、各自が成分の溶媒抽出を開始している。また、薬用遺伝子源については、一部は京都大学薬学部付属薬用植物園にて播種し、栽培・増殖を試みるとともに、一部は長期の低温保存を計っている。

研究成果

• [文献書誌] M.Tabata et al.: "Traditional medicine in Turkey III. Folk medicine in East Anatolia,Van and Bitlis provinces." Int.J,Pharmacog.32. 3-12 (1994)
• [文献書誌] 飯田守幸ほか: "トルコのイラクサ属の研究(I) トルコのイラクサ属の、葉柄の内部形態による鑑別" Natural Medicines. 48. 237-243 (1994)
• [文献書誌] E.Yesilada et al.: "Traditional medicine in Turkey V. Folk medicine in inner Taurus mountains;Isparta,Konya,Karaman,K.Maras and Hatay provinces." J.Ethnopharmacol.(submitted).
• [文献書誌] G.Honda et al.: "Traditional medicine in Turkey VI. Folk medicine in West Anatolia;Afyon,Kutahya,Denizli,Mugla,Aydin provinces." J.Ethnopharmacol.(submitted.).
• [文献書誌] Y.Takeda et al.: "Nepetanudoside,an iridod glucoside having a novel structure from Nepeta nuda ssp.albiflora." J.Nat.Prod.(submitted.).
• [文献書誌] H.Hayashi et al.: "Flavonoid composition in leaves of Glycyrrhiza glabra of different geographical origin in Turkey." Phytochemistry. (投稿予定).