研究課題
第2次年度として調査範囲を広げ、初年度の調査より得られた調査の方向づけをもとに現地調査を行なった。土岐はポナペ、トラックを中心にこれまでに6つの島で調査した。中でも旧春島と旧冬島には2度訪れ、同一人物に対して追加調査を行なっている。また、2度目には旧南洋庁時代に日本語を習得した人に加え、現在高校で日本語を学習している若年層の調査も加えて調査内容をより具体的にした。宮島もポナペ、トラックを中心にサイパンを含め、面接により語彙を中心に調査を行なった。真田も同じ地域において、ミクロネシア諸言語の辞書から、日本語出自の語をリストアップし、その特徴について記述した。また、現地の話者にその語を発音してもらい、そのアクセントを分析した。崎山はポナペとコスラエにおいて、それぞれ延べ数15名と4名の公学校(補習科)卒業生に面接し、合計50時間分の日本語発話試料を収録した。須藤はヤップ、パラオにおいて日本時代に、南洋庁の事務員、巡査、公学校の教員、病院の看護婦そして軍に志願した人々などから、南洋群島支配の実態について情報を収集した。日本語を習得し、日本人になることを目標にした生き方を強いられていた面が強い。小松はトラックとサイパンにおいて、日本時代に習った昔話等の残存のしかたを通じて日本文化の残存状況を調査した。渋谷はパラオにおいて日本語の録音データを収録し、文字化した。またその中の動詞文を取り上げて、文法的なカテゴリーの実態を明らかにした。由井はポナペ、パラオ、サイパンにおいて公学校卒業生に面接調査を行ない、内容を録音した。また、データを文字化し、テンス等の文法カテゴリーの習得、語彙の習得等について分析を行なった。
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