• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

インドネシアに多発する遺伝性楕円赤血球症の分子疫学的調査

研究課題

研究課題/領域番号 06041076
研究機関神戸大学

研究代表者

松尾 雅文  神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)

研究分担者 ハルヂオノ  インドネシア大学, 医学部, 講師
スアトマジ  アイルランガ大学, 医学部, 教授
アブヅルソフロ  ガジャマダ大学, 医学部, 教授
石田 貴文  東京大学, 理学部, 助手 (20184533)
白川 卓  神戸大学, 医学部, 助手 (30171044)
西山 馨  神戸大学, 医学部, 助教授 (00150061)
キーワード遺伝性楕円赤血球症 / バンド3蛋白遺伝子
研究概要

熱帯地域にあるインドネシアでは、マラリアへの感染に抵抗性を賦与する遺伝性楕円赤血球症がこの地域に特有な遺伝病として発症し続けている。最近、遺伝性楕円赤血球症が赤血球バンド3蛋白遺伝子の異常により発症することが明らかにされた。私達はインドネシアの1離島であるバンカ島の遺伝性楕円赤血球症患者を対象として赤血球バンド3蛋白遺伝子の塩基配列を解析した。その結果、この離島の患者がバンド3蛋白遺伝子のエクソン11内の27塩基の欠失を有することを明らかにした。
今回、インドネシアの他の地域での遺伝性楕円赤血球症の発症原因を明らかにするため、ジャワ島をはじめとしてロンボク島などにおいて遺伝性楕円赤血球症患者より血液を採取し、その血液よりDNAを抽出した。そして、抽出したDNAを用いてPCRなどの分子生物学的手法を用いバンド3蛋白遺伝子の異常を解析している。
これとは別に、同じ熱帯地域にあるタイの遺伝性楕円赤血球症患者のバンド3蛋白遺伝子の異常を解析した。その結果、タイでもインドネシアで先に私達が報告したのと同じエクソン11内の27塩基の欠失を有する患者が存在することを明らかにした。これは、東南アジア諸国に広く同じ遺伝子の異常が分布していることを示し、遺伝子異常の発生メカニズムの解明に重要な手掛かりを与えるものであった。
今後、インドネシアの他の地域でさらに詳しくバンド3蛋白遺伝子の異常を明らかにするとともに、タイの患者あるいは東南アジア諸国の患者との遺伝子異常の比較も行なう予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hagiwara,Y.: "A novel point mutation (G-1 to T)in a 5'splice donor site of intron 13 of the dystrophin gene results in exon skipping and is responsible for Becker muscular dystrophy." Am.J.Hum.Genet.54. 53-61 (1994)

  • [文献書誌] Nishio,H.: "Identification of a novel first exon in the human dystrophin gene and of a new promoter located more than 500 kb upstream of the nearest known promoter." J.Clin.Invest.94. 1037-1042 (1994)

  • [文献書誌] Takeshima,Y.: "Twenty seven nucleotide deletion within exon 11 of the erythrocyte Band 3 gene in lndonesian ovalocytosis." Jpn.J.Hum.Genet.39. 181-185 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi