研究課題
平成6年度の調査は、ブラジル北東部内陸の半乾燥地域におけるカ-チンガ群落を対象として実施した。調査地区はペルナンブコ州ペトロリ-ナから約100km離れたクラッサ地区である。この地区に耕地放棄後に天然更新して3年と9年になるカ-チンガの再生林および35年以上は経ているカ-チンガを選び調査群落とした。そして、3年と9年の群落には、10m×30m,第3の群落には10m×20mの区画を設けて、その中の樹種構成、木々それぞれの根幹・胸高の直径、樹冠の広がり、現存量などの調査と樹木および土壌のサンプルを採取した。採取されたサンプルについてすべての化学成分の分析が行われる。また、樹木の年輪解析も行う。なお、この地区の三つのカ-チンガ群落は、カ-チンガ群落の遷移に伴っての樹種構成の変化を知るうえで好都合な群落であった。そのため、テレジ-ナ周辺の調査予定を短くし、クラッサ地区に重点を置いて調査を行った。これら調査データのよび解析および採取サンプルの放射化分析・年輪解析は進行中である。平成7年度の調査対象地域は、アマゾン流域の熱帯雨林地区であるので、その準備のためベレン、マナウスとその周辺の熱帯雨林を下見すると共に関係諸機関との交流を深め、資料・文献などについても多数収集することが出来た。下見の結果、研究分担者ペドロ・リスボア博士との相談し、平成7年度の調査は、国立ゴエルジ博物館の管理下にあるカシュワナ国有林内の研究施設を利用し実施する事とした。ここを拠点としてテラフィルメ林の生態・天然更新及び微量化学成分の選択的吸収の研究のためのサンプル採集を行う。